前編で、高崎スズランの移転失敗を見た。
売上7割減、客数6割減。
で、ここからが本題。
「自社所有だから、簡単に撤退できない」という地獄。
土地の権利関係:スズランは自社所有
🏢 高崎スズラン 土地の権利関係
| 旧店舗の土地 | 自社所有 |
| 新店舗の土地 | 自社所有 |
| 高崎市の認可 | 「優良建築物整備事業」認定で容積率緩和 |
| 旧店舗跡の計画 | 2029年19階タワマン+商業+立体駐車場 スズラン+地権者+デベロッパー共同事業 |
両方とも自社所有。
これが、後で効いてくる。
自社所有 vs 借地:決定的な違い
| 項目 | 自社所有型 (高崎スズラン) | 借地型 (クロスガーデン多摩) |
|---|---|---|
| 土地の権利 | 自社所有 | UR都市機構の定期借地20年 |
| 失敗したとき | 簡単に撤退できない 建物残る、固定資産税かかる 減損処理で赤字拡大 | 契約満了で潔く終われる 更地返還して撤退 損失限定 |
| 建替費用 | 数十億円全額負担 | 借地なので建替えない 契約満了で終了 |
| 撤退時の選択肢 | ①土地売却 ②タワマン転換で起死回生 ③ズルズル赤字継続 | 契約満了で終了 選択肢なし、潔い |
借地なら、契約満了で終われる。
自社所有だと、簡単に撤退できない。
他事例との比較:土地権利が決める運命
| 事例 | 土地権利 | 結末 | 教訓 |
|---|---|---|---|
| 高崎スズラン | 自社所有 | 建替→売上7割減 タワマン計画で起死回生狙い | コンパクト化失敗 撤退できず地獄 |
| クロスガーデン多摩 | UR借地満了 | 2026年2月閉店→更地返還 | 借地は潔く終われる |
| 大江戸温泉 | 都借地満了 | 2021年閉館→更地返還 | 公共用地の期限 |
| 岐阜高島屋 | テナント撤退 | 2024年7月閉店 地主が再開発 | 賃借は身軽に撤退 |
土地権利で、運命が決まる。
スズランの起死回生策:タワマン計画
で、スズランはどうするのか?
🏗️ 2029年計画:タワマンで起死回生
旧店舗跡の開発
19階建てタワーマンション
+商業施設
+立体駐車場
空中デッキ
旧店舗跡と新店舗を空中デッキで接続
動線改善
事業形態
スズラン+地権者+デベロッパー共同事業
マンション分譲利益で百貨店赤字を補填
タワマン分譲利益で、百貨店の赤字を埋める作戦。
自社所有のジレンマ
めちゃくちゃジレンマ。どーなる!?スズラン!
⚠️ 自社所有のジレンマ
ジレンマ①:撤退できない
売上7割減でも、簡単に閉店できない
土地が残る、固定資産税がかかる
借地なら契約満了で終われた
ジレンマ②:建替費用の回収が必要
数十億円の建替費用を回収しないといけない
タワマン計画で起死回生を狙うしかない
借地なら建替えせず契約満了で終われた
ジレンマ③:減損処理で赤字拡大
新店舗の資産価値が下がる
減損処理で赤字がさらに拡大
借地なら資産計上しないので減損処理なし
自社所有だから、引くに引けない。
借地のメリット(意外と)
これ見てると、借地のメリットが見えてくる。
✅ 借地のメリット(意外と)
メリット①:契約満了で潔く終われる
定期借地権20年満了→更地返還して撤退
ズルズル赤字を続けなくていい
メリット②:初期投資を抑えられる
土地代がゼロ
建物だけで済む
メリット③:減損処理なし
土地を資産計上しないので、減損処理がない
赤字拡大しない
借地、意外とメリット多い。
あなたならどうする?
💭 あなたならどうする?
もしあなたが百貨店の経営者なら、どっちを選ぶ?
選択肢A:自社所有で建替
✅ 長期的に資産になる
❌ 失敗したら撤退できない
❌ 建替費用数十億円全額負担
❌ 減損処理で赤字拡大リスク
選択肢B:借地で出店
✅ 初期投資を抑えられる
✅ 失敗したら契約満了で潔く撤退
✅ 減損処理なし
❌ 地代を払い続ける
❌ 契約満了で建物を失う
正解はない。
でも、失敗したときのリスクは、自社所有の方が圧倒的に大きい。
まとめ
📋 この記事のポイント
| スズランの土地 | 旧店舗・新店舗とも自社所有 |
| 自社所有のジレンマ | 失敗しても簡単に撤退できない、建替費用回収が必要 |
| 借地なら | 契約満了で潔く終われた、クロスガーデン多摩・大江戸温泉パターン |
| 起死回生策 | 2029年旧店舗跡に19階タワマン+空中デッキ、分譲利益で赤字補填 |
| 土地権利で運命が決まる | 自社所有=撤退困難、借地=潔く終われる |
| 教訓 | 失敗したときのリスクは自社所有の方が大きい |
高崎スズラン、自社所有だから簡単に撤退できない。
借地なら、契約満了で潔く終われた。
自社所有のジレンマ:
- 撤退できない
- 建替費用の回収が必要
- 減損処理で赤字拡大
起死回生策:2029年タワマン計画で分譲利益を狙う。
土地権利で、運命が決まる。
失敗したときのリスクは、自社所有の方が圧倒的に大きい。
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※宅建合格者・行政書士学習中の内容をまとめたものです。間違いがあればご指摘ください。


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