未完成のまま放置された建物が街に残る理由|請負契約の現場

繁華街の裏路地を歩いてると、奇妙な建物に出くわすことがある。

骨組みだけのRC造4階建て。 ブルーシートがボロボロになって、鉄筋が剥き出し。

看板には「◯◯建設(株)」の名前だけ残ってる。

これ、たぶん5年くらい放置されてる。

2024年に宅建合格して、今は行政書士の勉強してるんですけど、 こういう未完成建物を見ると、「請負契約のトラブルだな」ってなんとなく分かる。

元請けと下請け、施主と業者の間で、 「請負契約の瑕疵担保責任」「報酬未払い」「契約解除」の三つ巴バトルが続いてる。

あなたの街にも、「なぜ完成しない?」って建物、あるはず。

そこには、民法の請負契約のリアルな攻防が隠れてる。

街を歩きながら、その裏側を読み解いてみる。

請負契約とは?街で見る典型パターン

請負契約って、民法632条で定義されてる。

「請負とは、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約すること」

難しい言葉で書いてあるけど、要は、 「仕事を完成させて、その結果に対して報酬をもらう契約」ってこと。

街角で見る請負契約の典型パターン

街を歩いてると、請負契約の現場、めっちゃ見かける。

1. 住宅オーナー→工務店(新築・リフォーム)

「新築住宅を建ててください」 「キッチンをリフォームしてください」

これが一番よく見るパターン。

2. 不動産会社→建築会社(RC造マンション分譲)

「駅前にマンション建ててください」

分譲マンションの建設現場。

3. 店舗オーナー→内装業者(居抜き工事)

「飲食店の内装、3ヶ月で仕上げてください」

居抜き物件の改装工事。

4. 地主→造成業者(宅地開発)

「この土地を宅地造成してください」

山林を住宅地に変える工事。

実務で超重要なポイント

請負契約で一番重要なのが、 「仕事の完成」が核心ってこと。

未完成だと、報酬請求も瑕疵担保責任も発生しない。

これ、めちゃくちゃ重要。

賃貸借とか売買とは違って、 「完成してないとお金もらえない」のが請負契約の特徴。

契約類型 核心 報酬発生時期 街の例
請負 仕事の完成 完成後 住宅建築、内装工事
雇用 労働力の提供 毎月 店員、警備員
準委任 事務処理行為 毎月or成果 税理士、コンサル

雇用は「働いた分だけ給料もらえる」けど、 請負は「完成しないと報酬もらえない」。

ここが、トラブルの原因になる。

未完成建物が生まれる3つのパターン

街の未完成建物、大きく分けて3つのパターンがある。

パターン1:施主の資金ショート

街で見る典型例

分譲マンション建設中に、デベロッパーが倒産。

建築会社は工事を続けてるけど、 途中で「お金が払えません」って言われる。

工事ストップ。

骨組みだけ残って、放置。

法律的にはどうなる?

民法633条で、 「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない」 って規定されてる。

つまり、完成するまで報酬を請求できない。

でも、建築会社は、すでに材料費や人件費を払ってる。

「完成してないから報酬ゼロ」だと、建築会社が大損する。

だから実務では、 「出来高払い」とか「中間金」みたいな形で、 途中でお金をもらう契約にすることが多い。

でも、契約書に書いてないと、 「完成してないから払えません」って言われて終わり。

未完成建物が残る。

パターン2:瑕疵(欠陥)が見つかって紛争

街で見る典型例

新築住宅が完成間近で、施主が検査したら、 「壁にヒビが入ってる」「基礎が傾いてる」とか、 重大な欠陥が見つかった。

施主は「これじゃ受け取れない」って言う。

工務店は「これくらい問題ない」って言う。

揉める。

工事ストップ。

法律的にはどうなる?

民法559条で、 「請負契約に売買の規定が準用される」 って書いてある。

つまり、瑕疵担保責任(契約不適合責任)が発生する。

でも、「瑕疵」の判断が難しい。

「これは欠陥だ」って施主が言っても、 「これは仕様の範囲内」って業者が言ったら、 専門家に判断してもらわないと分からない。

その間、工事はストップ。

建物は未完成のまま。

実務だと、第三者の建築士に検査してもらって、 「これは直すべき」「これは許容範囲」って判断してもらう。

でも、それまでに時間がかかる。

その間に業者が倒産したりすると、 未完成建物が残る。

パターン3:元請けと下請けの報酬トラブル

街で見る典型例

元請けの建築会社が、下請けの電気工事会社に仕事を発注。

下請けは工事を完了したけど、 元請けが「施主からお金もらってないから、払えない」って言う。

下請けは「うちは完成させたのに…」って怒る。

元請けと下請けで揉めて、工事全体がストップ。

建物は未完成のまま。

法律的にはどうなる?

元請けと下請けは、別々の請負契約。

下請けは、自分の担当部分を完成させたら、 元請けに報酬を請求できる。

でも、元請けが「施主から金もらってない」って言って払わないこともある。

下請けは、元請けに対して報酬請求できるけど、 施主に対しては直接請求できない。

これが建設業界のトラブルでめちゃくちゃ多い。

下請けが怒って工事を放棄すると、 建物全体が未完成のまま。

元請けも施主も困る。

「仕事の完成」の定義が争点になるケース

請負契約で一番揉めるのが、 「仕事が完成したかどうか」の判断。

ケース1:95%完成してるけど、残り5%が未完成

街で見る例

新築住宅が95%完成してる。

でも、玄関ドアの鍵がまだついてない。

施主は「完成してないから、報酬は払わない」って言う。

工務店は「ほぼ完成してるから、報酬を払ってほしい」って言う。

法律的にはどうなる?

民法633条で、 「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない」 って規定されてる。

つまり、完成してないと報酬を請求できない。

でも、「ほぼ完成」してる場合、 判例では「社会通念上、完成と認められる程度」なら、 報酬を請求できるって判断されることもある。

ただし、「玄関ドアの鍵がない」みたいな、 生活に必須の部分が欠けてると、 「未完成」って判断される可能性が高い。

実務では、 「残工事リスト」を作って、 「これが終わったら完成」って明確にしておくことが重要。

ケース2:完成したけど、施主が受け取らない

街で見る例

リフォーム工事が完成した。

でも、施主が「イメージと違う」って言って、 引き渡しを拒否する。

業者は「契約通りに作った」って主張する。

法律的にはどうなる?

民法493条で、 「受領遅滞」って概念がある。

施主が正当な理由なく受け取らない場合、 業者は報酬を請求できる。

ただし、「イメージと違う」が、 「契約内容と違う」って意味なら、 施主の拒否は正当。

この場合、契約書に書いてある内容と、 実際の仕上がりを照らし合わせて、 「契約不適合」かどうかを判断する。

契約書が曖昧だと、揉める。

「イメージ」とか「雰囲気」とか、 主観的な基準しかないと、 裁判になっても決着がつかない。

請負報酬の支払いタイミングと出来高払い

請負契約で一番重要なのが、 「いつ報酬をもらえるか」。

原則:完成後一括払い

民法633条で、 「報酬は、仕事の目的物の引渡しと同時に、支払わなければならない」 って規定されてる。

つまり、完成するまで報酬をもらえない。

でも、これだと業者がリスク高すぎる。

材料費や人件費は先に払わないといけないのに、 完成するまで報酬ゼロだと、資金繰りが厳しい。

実務:出来高払いと中間金

だから実務では、 「出来高払い」とか「中間金」みたいな形で、 途中でお金をもらう契約にすることが多い。

支払いタイミング 割合 内容
契約時 30% 着手金
上棟時 30% 中間金
完成時 40% 最終金

こういう形で、段階的に支払う。

ただし、これは契約書に明記されてないとダメ。

口約束だけだと、 「完成してないから払えません」って言われて終わり。

出来高払いのリスク

出来高払いにすると、 施主側にもリスクがある。

途中でお金を払ったのに、 業者が倒産したり、工事を放棄したりすると、 お金だけ取られて建物は未完成。

だから、出来高払いする場合は、 「完成保証」とか「履行ボンド」みたいな保険をかけることもある。

でも、個人の住宅建築だと、 そこまでやるケースは少ない。

結果、トラブルになる。

請負契約の解除と損害賠償

請負契約、途中で解除することもできる。

でも、解除の仕方によって、 損害賠償が発生する。

施主側からの解除

民法641条で、 「注文者は、請負人が仕事を完成しない間は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる」 って規定されてる。

つまり、施主は、いつでも解除できる。

ただし、損害賠償は必要。

業者が「これから材料費100万円かかる」って段階で解除されたら、 その100万円は施主が負担する。

業者側からの解除

業者側からの解除は、 「施主が報酬を払わない」とか、 「施主の指示が契約と全然違う」みたいな、 施主側に債務不履行がある場合のみ。

民法542条の債務不履行解除の規定が適用される。

正当な理由なく解除すると、 業者側が損害賠償を払わないといけない。

街で見る解除トラブル

「施主が途中で気が変わって、解除したい」

「業者が他の仕事を優先して、工事を放置してる」

こういうトラブル、めっちゃ多い。

解除するにしても、 「損害賠償はいくらか」で揉める。

その間、建物は未完成のまま放置される。

瑕疵担保責任(契約不適合責任)の実務

請負契約で重要なのが、 瑕疵担保責任(契約不適合責任)。

民法改正で変わったこと

2020年の民法改正で、 「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変わった。

でも、実務的にはそんなに変わってない。

要は、「契約内容と違う」「欠陥がある」場合、 業者が責任を負う。

請負の場合の特殊ルール

民法559条で、 「請負契約に売買の規定が準用される」 って書いてある。

つまり、売買と同じように、 契約不適合責任が発生する。

施主は、以下の4つを請求できる。

  1. 追完請求(修理してください)
  2. 代金減額請求(安くしてください)
  3. 損害賠償請求(損害を賠償してください)
  4. 契約解除(契約を解除します)

街で見る瑕疵トラブル

「新築住宅の基礎にヒビが入ってる」

「リフォームした壁が、1年で剥がれてきた」

「屋根の防水工事したのに、雨漏りする」

こういうトラブル、めっちゃ多い。

業者は「仕様の範囲内」って言うけど、 施主は「欠陥だ」って主張する。

第三者の建築士に検査してもらって、 「これは欠陥」「これは仕様の範囲内」って判断してもらう。

でも、それまでに時間がかかる。

その間、建物は使えない状態で放置される。

請負契約を「悲劇」にしないための実務ポイント

請負契約、トラブルになりやすい。

でも、最低限のことを決めておけば、悲劇は防げる。

契約書に明記すべき内容

1. 工事内容の詳細

「どこまでやるか」を明確にする。

図面、仕様書、材料のグレード、全部書く。

「イメージ」とか「雰囲気」とか、 曖昧な言葉は使わない。

2. 完成の定義

「何をもって完成とするか」を明確にする。

「施主の検査に合格したら完成」とか、 「第三者の建築士の検査に合格したら完成」とか。

3. 報酬の支払いタイミング

「いつ、いくら払うか」を明確にする。

着手金30%、中間金30%、完成時40%、みたいに。

4. 瑕疵担保責任の期間

「欠陥が見つかった場合、いつまで責任を負うか」を明確にする。

法律上は、 「引き渡しから1年以内に通知」が原則だけど、 契約で延長することもできる。

5. 解除の条件と損害賠償

「どういう場合に解除できるか」 「解除した場合、損害賠償はいくらか」 を明確にする。

街の未完成建物から学ぶこと

街を歩いてると、 「この建物、なんで完成しないんだろう?」 って思う建物、めっちゃ見かける。

その裏には、 施主と業者の揉め事、 元請けと下請けの報酬トラブル、 資金ショート、 瑕疵の認定、 色々な問題が隠れてる。

契約書をちゃんと作ってないと、 こういう悲劇になる。

逆に言うと、 契約書さえちゃんと作っておけば、 トラブルは防げる。

まとめ:街の未完成建物が教えてくれること

請負契約って、教科書だと難しく見える。

「仕事の完成」とか「瑕疵担保責任」とか、 言葉が堅い。

でも、街を歩いてると、 請負契約のトラブル現場、めっちゃ見かける。

骨組みだけ残った建物、 ブルーシートがボロボロの建築現場、 看板だけ残って工事が止まってる土地。

その裏には、 「完成の定義」で揉めてたり、 「報酬の支払いタイミング」で揉めてたり、 「瑕疵の認定」で揉めてたり、 色々な問題がある。

宅建で勉強した請負契約の条文、 街を見ると立体的に見えてくる。

「あの建物、たぶん施主の資金ショートだな」 「あの現場、たぶん瑕疵で揉めてるな」

そういう目線で街を歩くと、 不動産の勉強が、めちゃくちゃ面白くなリマスター。

未完成建物を見かけたら、 「なぜ完成しないのか?」って想像してみてほしい。

その裏には、民法の請負契約のリアルな攻防が隠れていました。


※この記事は宅建合格者が、民法の知識と街の観察を基にまとめたものです。個別の法律相談は専門家にご相談ください。

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