商店街の角に、「個人宅地 売却します」の看板が立ってる。
よく見ると、手書きで「◯◯不動産」の名前が書いてある。
こういう看板を見ると、「委任契約のトラブルだな」ってすぐ分かる。
地主のおばあちゃんが、甥っ子に「売却任せるよ」って口約束したのが発端。
不動産会社紹介して、宅建士登録して、媒介契約結んだはずが、 「どこに売った?」「いくらで?」「手数料は?」で大揉め。
あなたの街にも、「急に看板出てきた土地」あるはず。
その裏で、民法の委任契約の攻防が繰り広げられてる。
街を歩きながら、その裏側を読み解いてみます。
委任契約とは?街で見る典型パターン
委任契約って、民法643条で定義されてる。
「委任とは、当事者の一方がある行為を相手方に委託し、相手方がこれを引き受けること」
難しい言葉で書いてあるけど、要は、 「法律行為を誰かに任せる契約」ってこと。
街角で見る委任契約の典型パターン
街を歩いてると、委任契約の現場、めっちゃ見かける。
1. 地主→親族(土地売却代行)
「この土地、売却任せるよ」
おばあちゃんが甥っ子に委任する。
2. 相続人→司法書士(相続登記手続)
「相続登記、全部やってください」
相続人が司法書士に委任する。
3. オーナー→管理会社(賃貸管理業務)
「アパートの管理、全部任せます」
オーナーが管理会社に委任する。
4. 施主→建築士(建築確認申請)
「建築確認申請、お願いします」
施主が建築士に委任する。
実務で超重要なポイント
委任契約で一番重要なのが、 「法律行為の委任」が核心ってこと。
単純な「仕事」じゃない。
請負契約は「仕事の完成」が目的だけど、 委任契約は「法律行為をやってもらう」のが目的。
| 契約類型 | 核心 | 報酬発生時期 | 街の例 |
|---|---|---|---|
| 委任 | 法律行為の委託 | 無償が原則(特約で有償) | 土地売却代行、相続登記 |
| 準委任 | 事務処理行為 | 特約で決める | 賃貸管理、税務申告 |
| 請負 | 仕事の完成 | 完成後 | 住宅建築、内装工事 |
委任は「無償が原則」だけど、 実務では「特約で報酬を決める」ことが多い。
ここが、トラブルの原因になる。
委任契約の4大リスク|売却看板が消えない理由
街の売却看板が、何年も消えない理由。
それは、委任契約のリスクにある。
リスク①:委任範囲不明確→親族トラブル
街で見る典型例
おばあちゃんが甥っ子に「土地の売却任せるよ」って言った。
甥っ子は、売却活動してたけど、 なかなか買い手が見つからない。
で、「賃貸に出した方がいいんじゃない?」って勝手に賃貸に出した。
おばあちゃんは「売却任せただけなのに、勝手に賃貸に出した!」って怒る。
甥っ子は「管理も仕事でしょ?」って言う。
揉める。
法律的にはどうなる?
委任契約は、「委任範囲」を明確にしないと、 後でトラブルになる。
「売却任せる」って言っても、 「売却活動だけ」なのか、 「賃貸も含めた総合管理」なのか、 曖昧だと揉める。
実務では、委任状に、 「売却活動のみ」とか「賃貸管理含む」とか、 明記しないとダメ。
リスク②:報酬未払い→宅建士登録抹消危機
街で見る典型例
地主が宅建業者に土地売却を委任。
媒介契約結んで、買い手が見つかった。
3800万円で成約。
でも、地主が媒介手数料を払わない。
「甥っ子に任せたのに、勝手に業者に頼むな」って親族が横やりを入れる。
宅建業者は「委任受けて、成約したのに…」って困る。
報酬未払いで、宅建士協会に懲戒される。
免許更新できなくなる。
法律的にはどうなる?
委任契約は、「報酬」を特約で決める。
でも、親族間の委任だと、 「口約束だけ」で報酬の話をしてないことが多い。
宅建業法32条で、 「媒介報酬は成約時に請求できる」って規定されてるけど、 委任契約自体が曖昧だと、 「そもそも委任してない」って言われて終わり。
実務では、委任状と媒介契約書、両方必要。
リスク③:委任解除のタイミング(民法653条)

街で見る典型例
地主が甥っ子に売却を委任。
3年間、売却活動してたけど、売れない。
地主は「もういいよ、別の業者に頼む」って言う。
甥っ子は「3年間、頑張ったのに…」って困る。
法律的にはどうなる?
民法653条で、 「委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる」 って規定されてる。
つまり、いつでも一方的に解除できる。
請負契約だと、解除するには「損害賠償」が必要だけど、 委任契約だと、いつでも解除できる。
ただし、「不利な時期に解除した場合」は、 損害賠償が必要になることもある。
実務では、 「委任期間」を決めておくことが重要。
「1年間」とか「3年間」とか、 期間を決めておけば、 「急に解除された」って揉めにくい。
リスク④:代理権濫用→第三者保護されない
街で見る典型例
地主が甥っ子に売却を委任。
甥っ子が勝手に、委任範囲を超えて、 「地主の代理人」として契約書にサインした。
買主は「地主の代理人だから大丈夫」って思って、 手付金を払った。
でも、地主は「そんな契約、知らない」って言う。
買主は「手付金返してください」って言うけど、 甥っ子は「もう使っちゃった」って言う。
法律的にはどうなる?
民法107条で、 「代理権の範囲外の行為は、本人に効果が及ばない」 って規定されてる。
つまり、甥っ子が勝手にやった契約は、 地主には効力がない。
買主は、甥っ子に対して損害賠償請求できるけど、 地主には請求できない。
第三者(買主)は保護されない。
実務では、 「委任状の範囲」を買主に確認してもらうことが重要。
リスク度早見表
| リスク | 発生タイミング | リスク度 | 回避方法 |
|---|---|---|---|
| 委任範囲不明確 | 委任時 | ★★★ | 委任状に範囲明記 |
| 報酬未払い | 成約時 | ★★★ | 委任契約書に報酬明記 |
| 委任解除 | いつでも | ★★ | 委任期間を決める |
| 代理権濫用 | 契約時 | ★★★ | 委任状の範囲確認 |
実務トラブル事例3選【街角売却看板から】
委任契約のトラブル、街の中でめっちゃ見かける。
具体的な事例を3つ紹介する。
事例①:親族委任の土地売却地獄
練馬区・旗竿地(200平米)のケース
おばあちゃんが甥っ子に「土地、売却任せて」って口約束。
甥っ子は3年間、売却活動したけど、売れない。
で、「賃貸に出した方がいい」って思って、 勝手にアパート経営を始めた。
おばあちゃんが亡くなって、相続が発生。
姉妹が「勝手に処分したな!」って怒る。
「委任解除+不当利得返還請求」で調停。
6年かかって、ようやく和解。
法律的にはどうなる?
委任範囲が「売却のみ」だったのに、 甥っ子が勝手に「賃貸経営」を始めた。
これは、代理権の範囲外。
民法107条で、 「代理権の範囲外の行為は、本人に効果が及ばない」 って規定されてる。
でも、おばあちゃんが亡くなった後だから、 「本人の意思を確認できない」って揉める。
実務では、委任状に、 「売却活動のみ」って明記しておくべきだった。
事例②:宅建士委任契約の報酬未払い
中野区・戸建て売却(3800万円)のケース
地主が宅建業者に委任状を渡して、媒介契約を結んだ。
成約したけど、地主が媒介手数料を払わない。
「親族に任せたのに、勝手に業者に頼むな」って親族が横やりを入れる。
宅建業者は宅建士協会に懲戒される。
免許更新不可。
看板撤去後、別の宅建業者が看板を張り直し。
法律的にはどうなる?
委任契約が曖昧だと、 「そもそも委任してない」って言われる。
宅建業法32条で、 「媒介報酬は成約時に請求できる」って規定されてるけど、 委任契約自体が無効だと、 媒介契約も無効になる可能性がある。
実務では、委任状と媒介契約書、両方必要。
しかも、委任状に、 「媒介契約を締結する権限を与える」って明記しないとダメ。
事例③:管理委任の賃貸トラブル
荻窪・一棟アパート(8戸)のケース
オーナーが管理会社に賃貸管理を委任。
管理会社は、家賃滞納3件を放置。
退去ラッシュで、空室だらけ。
オーナーは「ちゃんと管理してないじゃん」って怒って、 委任解除通知を出した。
管理会社は「修繕費未払い」って反論。
建物は放置されたまま。
法律的にはどうなる?
管理委任契約は、「準委任契約」に該当する。
民法656条で、 「委任の規定が準用される」 って規定されてる。
つまり、いつでも解除できる。
でも、管理会社が「修繕費未払い」って言ってる場合、 解除の前に、修繕費を精算しないといけない。
実務では、 「委任解除の条件」を決めておくことが重要。
「修繕費精算後に解除」とか、 「1ヶ月前通知」とか、 決めておけば揉めにくい。
宅建士が確認すべき委任契約チェックリスト
委任契約、トラブルになりやすい。
でも、最低限のことを確認しておけば、悲劇は防げる。
委任契約リスク回避マニュアル
□ 委任状必須項目:委任行為範囲、期間、報酬、解除条件、代理権有無
委任状には、以下の項目を必ず明記する。
- 委任行為の範囲(売却活動のみ、賃貸管理含む、etc.)
- 委任期間(1年間、3年間、etc.)
- 報酬(売却代金の3%、月額◯万円、etc.)
- 解除条件(1ヶ月前通知、修繕費精算後、etc.)
- 代理権の有無(媒介契約締結権限、契約書サイン権限、etc.)
□ 親族間委任は書面必須(口頭だと後で「言ってない」で終了)
親族間だと、「口約束だけ」で済ませることが多い。
でも、後で「言った」「言ってない」で揉める。
必ず書面にする。
□ 宅建士登録確認(宅建業法32条違反回避)
宅建業者に委任する場合、 宅建士登録を確認する。
登録してないのに媒介業務やってると、 宅建業法違反。
□ 報酬は成果報酬+管理委託料を明確化
報酬は、「成果報酬」と「管理委託料」を分けて明記する。
「売却成約時:売却代金の3%」 「管理委託料:月額◯万円」
みたいに。
□ 委任解除通知の方法(内容証明郵便)
委任解除する場合は、内容証明郵便で通知する。
口頭だと、「聞いてない」って言われる。
即コピペ委任解除通知例
委任解除通知書
受任者:◯◯◯◯ 殿
私は、民法653条に基づき、
2026年1月1日付で締結した土地売却業務委任契約を解除します。
本通知到達後30日以内に、業務引継ぎを完了してください。
2026年1月30日
委任者:◯◯◯◯ 印
街歩きで「委任トラブル現場」を即判定
街を歩いてると、「委任トラブル現場」が見つかる。
5秒で判定できるチェックリスト。
5秒判定チェックリスト
□ 同一物件に複数業者看板→委任者変更中
同じ土地に、A不動産とB不動産の看板が並んでる。
これは、委任者を変更してる最中。
A不動産から委任解除して、B不動産に委任し直した。
□ 「個人売却」「親族紹介」の手書き看板→委任契約なし確定
手書きで「個人売却」って書いてある看板。
これは、委任契約なし。
地主本人が直接売却してる。
□ 売却看板3年以上→委任解除・報酬未払い紛争
売却看板が3年以上立ちっぱなし。
これは、委任解除か報酬未払いの紛争中。
売却活動してるけど、揉めてる。
□ 新築分譲看板+個人宅地表記→委任代理の可能性
「新築分譲」って看板と「個人宅地」って看板が並んでる。
これは、委任代理の可能性がある。
地主が業者に委任して、分譲開発してる。
□ 賃貸募集+売却看板併記→委任範囲争い中
「賃貸募集」と「売却します」が同時に書いてある。
これは、委任範囲で争ってる。
「売却だけ任せた」vs「賃貸も含む」で揉めてる。
次回の街歩きで、こういう「法律の現場」を発見してみてほしい。
勝つための実務テンプレート3種
委任契約、トラブル防止のためのテンプレート。
コピペで使える。
テンプレ①:委任契約書簡易版
勝つための実務テンプレート3種 委任契約、トラブル防止のためのテンプレート。 コピペで使える。 テンプレ①:委任契約書簡易版委任契約書
委任者:◯◯◯◯(以下「甲」という)
受任者:◯◯◯◯(以下「乙」という)
甲は乙に、以下の業務を委任し、乙はこれを受任する。
【委任業務】
東京都◯◯区◯◯町◯丁目◯番◯号の土地売却業務
【委任期間】
2026年1月1日から2026年12月31日まで
【報酬】
売却代金の3%+消費税
【解除】
甲または乙は、3ヶ月前に書面で通知することにより、
本契約を解除することができる。
2026年1月30日
甲:◯◯◯◯ 印
乙:◯◯◯◯ 印
テンプレ②:委任解除通知書
委任解除通知書
受任者:◯◯◯◯ 殿
私は、民法653条に基づき、
2026年1月1日付で締結した土地売却業務委任契約を解除します。
本通知到達後30日以内に、業務引継ぎを完了してください。
2026年1月30日
委任者:◯◯◯◯ 印
テンプレ③:報酬請求書
報酬請求書
委任者:◯◯◯◯ 殿
私は、土地売却業務委任契約に基づき、
以下の報酬を請求します。
【売却物件】
東京都◯◯区◯◯町◯丁目◯番◯号
【売却代金】
3,800万円
【報酬額】
売却代金の3%:114万円
消費税:11万4千円
合計:125万4千円
本請求書到達後7日以内に、
以下の指定口座へ振り込みをお願いします。
【振込先】
◯◯銀行 ◯◯支店
普通預金 ◯◯◯◯◯◯◯
◯◯◯◯
2026年1月30日
受任者:◯◯◯◯ 印
まとめ:売却看板が語る委任契約の教訓
街角の「売却します」看板は、委任契約の戦場。
民法643条・653条が、親族・宅建士・管理会社の運命を決める。
宅建士の使命は、 委任状の範囲確認、報酬条項明記、解除条件を予め合意すること。
街を歩いてると、 「この看板、3年以上立ちっぱなしだな」 「この看板、業者が変わってるな」 って気づくことがある。
その裏には、委任契約のトラブルが隠れてる。
委任範囲が曖昧で揉めてたり、 報酬未払いで揉めてたり、 委任解除で揉めてたり。
色々な問題がある。
宅建で勉強した委任契約の条文、 街を見ると立体的に見えてくる。
「あの看板、委任契約解除で撤去確定!」 「あの看板、委任範囲で争い中!」
そういう目線で街を歩くと、 不動産の勉強が、めちゃくちゃ面白くなる。
あなたの街の売却看板が、次回記事のネタになるかも。
※この記事は宅建合格者が、民法の知識と街の観察を基にまとめたものです。個別の法律相談は専門家にご相談ください。

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