マンション価格が安い理由【50年後どうなる?】

借地権の影響でマンション価格が変わることについて解説したアイキャッチ画像

先月、駅前の新築マンション見に行ったんですよ。

立地最高、設備も新しい、でも価格が周辺より2割くらい安い。

「なんでこんなに安いの?」って不動産屋さんに聞いたら、

「定期借地権付きマンションなんです」って。

え、定期借地権?スーパーとかが使うやつじゃないの?

マンションにも定期借地権ってあるんだって、初めて知りました。

で、調べたら、これ結構リスクあるなって思った。

定期借地権付きマンションって何?

簡単に言うと、土地は借りてて、建物だけ買うマンション。

普通のマンションは、土地と建物の両方を区分所有する形。

でも定期借地権付きマンションは、土地は地主のもの。

住民は地主に地代を払いながら、50年とか60年とか、期限付きで借りてる。

で、期限が来たら土地を返さないといけない。

建物も解体して、更地にして返還。

「え、50年後に追い出されるの?」って思いますよね。

そうなんです。

なんで安いの?

理由は単純で、土地の所有権がないから。

普通のマンション:土地の所有権 + 建物の所有権

定期借地権付き:建物の所有権だけ(土地は借りてるだけ)

土地の価値がない分、安くなる。

相場より2割〜3割安いケースが多い。

例えば、周辺の新築マンションが5,000万円なら、定期借地権付きは3,500万円〜4,000万円くらい。

1,000万円以上安いって、めちゃくちゃデカいですよね。

だから、「とりあえず安く買いたい」って人には魅力的に見える。

でも、安いのには理由がある。

50年後、どうなるの?

これが一番の問題。

定期借地権の期間は、だいたい50年〜60年。

期間が満了したら、マンションを解体して、土地を更地にして地主に返す。

「50年後なんて、自分もう80歳だし関係ないでしょ」って思うかもしれない。

でも、問題はそこじゃない。

① 誰が解体費用を負担するのか

マンション1棟を解体するのに、数千万円〜億単位かかる。

それを住民全員で分担する。

50年後、高齢者ばかりの住民に、そんな大金払えるのか?

管理組合で修繕積立金とは別に「解体積立金」を積み立ててるケースもあるけど、足りないことが多い。

② 建物の価値がゼロに近づく

普通のマンションは、築30年でも土地の価値があるから、ある程度の資産価値が残る。

でも定期借地権付きマンションは、残存期間が短くなるほど価値が下がる。

残り10年とかになったら、ほぼ売れない。

「誰がわざわざ、10年後に解体される物件買うの?」って話。

③ 住宅ローンが組みにくい

銀行は担保価値を見る。

残存期間が短いと、担保価値が低い。

だから、中古で売ろうとしても、買い手がローン組めないことがある。

結果、売れない。

誰が買うべき物件なの?

定期借地権付きマンション、全員におすすめできるわけじゃない。

買っていいのは、こういう人だと思う。

① 若い世代

30歳で買って、50年住めば80歳。

人生設計として「80歳まで住めればいい」って割り切れるなら、アリ。

終の棲家として考えてないなら、選択肢になる。

② 初期費用を抑えたい人

とにかく今の負担を減らしたい。

1,000万円安く買えるなら、その分を子供の教育費や他の投資に回せる。

割り切って買うなら、悪くない選択。

③ 転売目的じゃない人

「数年住んで売る」とか考えてる人には向かない。

売却しにくいから。

長く住む前提なら、問題ない。

逆に買わない方がいい人

① 資産として残したい人

子供に相続させたい、資産として持ちたいって人には向かない。

50年後に価値ゼロになるから。

② 老後の住み替えを考えてる人

「50年住むつもりだけど、体が動かなくなったら売って老人ホームに」とか考えてる人。

残存期間が短くなったマンション、売れないです。

③ 転勤族

数年で売る可能性があるなら、やめた方がいい。

売りにくいから。

地代も払い続ける

定期借地権付きマンションって、購入後も地代を払う。

月1万円〜3万円くらいが相場。

50年間払い続けると、1万円×12ヶ月×50年=600万円。

結局、安く買えたと思っても、トータルで見ると普通のマンションとそんなに変わらないかもしれない。

しかも、地代は値上げされる可能性もある。

契約に「物価上昇に応じて地代改定」みたいな条項があったりする。

これもリスク。

私の地元にもある

地元の駅前にも、定期借地権付きマンションある。

10年前に建った物件で、残り40年。

最近、中古で売りに出てるの見たんですけど、全然売れてない。

価格は新築時の半額以下。

でも、それでも買い手がつかない。

理由は明白で、「残り40年」って微妙なんですよね。

40年住めるって言われても、「その後どうすんの?」ってなる。

しかも解体費用の積み立てが不透明で、「50年後に本当に解体できるの?」って不安がある。

結果、誰も買わない。

空室が増えて、管理組合も機能しなくなって、スラム化するリスクもある。

契約書をちゃんと読むべき

定期借地権付きマンション買うなら、契約書の確認が超重要。

特に見るべきポイント:

① 残存期間

あと何年借りられるのか。

50年以上残ってるなら、まだマシ。

30年とか20年だと、かなりリスキー。

② 地代の改定条項

地代が将来上がる可能性があるのか。

固定なのか、改定されるのか。

③ 解体費用の積立状況

管理組合で解体費用を積み立ててるのか。

今どれくらい貯まってるのか。

50年後に足りなかったら、住民が追加負担することになる。

④ 更新・買取の可能性

定期借地権は原則、更新なし。

でも、契約によっては「地主と交渉して延長できる可能性」みたいな条項があることも。

あと、「満了時に地主が建物を買い取る」みたいな特約があれば、住民の負担は減る。

でも、これはレアケース。

まとめ

マンションが安い理由、定期借地権付きだった。

土地は借りてるだけで、50年後に返さないといけない。

建物も解体して更地にする必要がある。

価格は2〜3割安いけど、地代を払い続けるし、50年後の解体費用も負担。

残存期間が短くなるほど売りにくくなる。

若い世代で「50年住めればいい」って割り切れる人には選択肢になる。

でも、資産として残したい人や、老後に売る予定の人には向かない。

契約書をちゃんと読んで、リスクを理解してから買うべき。

知ってると、安いマンションの裏側が見えてきますよね。

ではまた。


※宅建学習の内容をまとめたものです。間違いがあればご指摘ください。

#定期借地権 #宅建 #不動産 #マンション

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