地元の商店街、歩いてて思うんですよ。
築50年とか60年とかの、めちゃくちゃ古い建物がそのまま残ってる。
外壁はボロボロ、看板は色褪せてて、正直、危なそうに見える。
「なんで建て替えないんだろう?」ってずっと疑問だったんですけど、宅建勉強してて理由が分かった。
借地権の建て替えには、地主の承諾が必要で、承諾料がめちゃくちゃ高いらしい。
だから、建て替えたくても建て替えられない。
結果、ボロボロの建物のまま我慢して使い続けるしかない。
商店街の古い建物、多すぎる
うちの地元の商店街、昭和の雰囲気バリバリ。
いい意味で言えばレトロ、悪い意味で言えばボロい。
八百屋さん、魚屋さん、小さな食堂。
どれも建物が古すぎて、「大丈夫なの?」って心配になるレベル。
でも、みんな建て替えない。
リフォームもほとんどしてない。
ペンキ塗り直すくらいで、構造はそのまま。
最初は「お金ないのかな」って思ってたんですけど、理由はそれだけじゃなかった。
借地権だから勝手に建て替えられない
商店街の建物、結構な割合で借地権なんですよね。
土地は地主のもので、建物だけ借地人が所有してる。
普通借地権っていうやつ。
で、借地権の建物を建て替えるには、地主の承諾が必要。
これが法律で決まってる。
勝手に建て替えたら契約違反になって、最悪、土地を返さないといけなくなる。
だから、どんなにボロくても、地主の許可がないと建て替えられない。
承諾料が高すぎる
で、地主に「建て替えさせてください」ってお願いすると、承諾料を請求される。
これが、マジで高い。
相場は、更地価格の3%〜5%。
例えば、更地価格が5,000万円の土地なら、承諾料は150万円〜250万円。
高いですよね。
しかも、これは地主との交渉次第で、もっと高くなることもある。
「10%払え」とか言われるケースもあるらしい。
500万円とかになったら、もう無理。
建て替え自体に数千万円かかるのに、承諾料だけで数百万円。
そんな金、中小の商店にはない。
地主との関係が悪化してるケースも
しかも、地主と借地人の関係が悪化してるケースも多い。
最初に契約したのは、借地人の祖父と地主の祖父。
今は、孫の代になってる。
お互い顔も知らない、話したこともない。
地主側は「この土地、いつか返してもらって自分で使いたい」って思ってる。
借地人側は「何十年も借りてるんだから、こっちの権利だ」って思ってる。
で、建て替えの話になると、地主が「いい機会だから高額な承諾料もらおう」ってなる。
借地人は「そんなに払えない」ってなる。
交渉が決裂して、建て替えできない。
結果、ボロボロの建物のまま。
裁判所の許可もあるけど…
実は、地主が承諾しなくても、裁判所の許可を得れば建て替えできる制度もある。
「借地非訟」っていう手続き。
地主が不当に承諾を拒否してる場合、裁判所が代わりに許可を出してくれる。
でも、これも簡単じゃない。
まず、弁護士雇わないといけない。費用は数十万円〜100万円くらい。
しかも、時間がかかる。半年〜1年とか普通。
その間、商売は続けないといけない。
で、裁判所が許可出すときも、「承諾料相当額を地主に払いなさい」って言われることが多い。
結局、お金は払わないといけない。
だったら最初から地主と交渉した方が早いってなるけど、それも難しい。
詰んでる。
私の地元でも同じ状況
地元の八百屋さん、建物めっちゃ古い。
外壁のトタン、錆びまくってる。
店主のおじさんに「建て替えないんですか?」って聞いたことあるんですよ。
そしたら、「地主さんが承諾してくれないんだよね」って。
「承諾料、500万円って言われてさ。そんな金ないよ」って苦笑いしてた。
建て替えたい気持ちはある。
でも、承諾料が払えない。
かといって、裁判してまで建て替える気力もない。
だから、ボロボロのまま我慢して使ってる。
で、「まあ、俺の代で店じまいだから、このままでいいや」って諦めてた。
こういう店、商店街に何軒もある。
定期借地権なら問題ない
ちなみに、定期借地権なら、こういう問題は起きにくい。
定期借地権は、最初から「期間が来たら返す」って決まってる。
だから、建て替えの承諾とか、基本的に不要。
契約書に「建て替えOK」って書いてあれば、勝手に建て替えられる。
でも、商店街の古い建物は、ほとんどが普通借地権。
昭和の時代に契約したやつ。
当時は定期借地権なんて制度なかったから、全部普通借地権。
だから今、問題が噴出してる。
新しい商店街は定期借地権が多い
逆に、最近できた商業施設とか、新しい商店街は、定期借地権が多い。
事業用定期借地権で、20年とか30年。
期間が来たら更地にして返す前提。
だから、建て替えとか、そもそも考えない。
期間内だけ使って、満了したら出ていく。
シンプル。
地主も安心。
トラブルも起きにくい。
古い商店街とは、全然違う。
解体して返すって選択肢もある
中には、「もう建て替えできないなら、解体して土地返すわ」って人もいる。
実際、地元の商店街でも、ここ数年で2〜3軒、そういう店があった。
建物を解体して、更地にして地主に返却。
で、店主は引退。
商売やめて、別の場所に引っ越す。
借地権の契約終了。
地主は土地が返ってきて、自由に使える。
これが一番スッキリする。
でも、商店街としては空き地が増えて、寂れる原因にもなる。
街を見ると借地権の問題が見える
最近、商店街歩いてると、「この店、借地権だろうな」って分かるようになった。
建物がめちゃくちゃ古いのに、建て替えてない。
看板だけ新しくしてる。
外壁を塗り直してる程度。
たぶん、地主の承諾が得られなくて、建て替えできないんだと思う。
で、店主も高齢化してて、「もう自分の代で終わり」って諦めてる。
借地権の建て替え問題、商店街の高齢化・空洞化の原因の一つだなって感じます。
まとめ
古い商店街の建物が建て替えられない理由、借地権の承諾料が高すぎるから。
普通借地権は、建て替えに地主の承諾が必要。
承諾料は更地価格の3%〜5%、数百万円かかる。
地主との関係が悪化してると、交渉も難航。
裁判所の許可もあるけど、時間と費用がかかる。
結果、ボロボロの建物のまま我慢して使い続ける。
定期借地権なら問題ないけど、古い商店街はほとんど普通借地権。
街を見ると、借地権の建て替え問題が見えてくる。
知ってると、商店街の風景の見え方が変わりますよね。
※宅建学習の内容をまとめたものです。間違いがあればご指摘ください。
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