そんなことある!?って事例を紹介します。
親の土地に、自分が家を建てて住んでました。
「親の土地だし、タダで使わせてもらってる」って感じで、30年くらい住んでた。
で、親が亡くなって、土地を兄と2人で相続。
そしたら兄から「これから地代払ってね」って請求が来た。
月10万円。
「え、30年タダだったのに、急に?」ってなった。
でも、法律的には兄の言い分が正しいらしい。
使用貸借だったから、親が亡くなった時点で終了。
これ、知らないとマジでやばい。知っててよかった(-。-;
使用貸借って何?
「当事者の一方がある物を引き渡すことを約し、相手方がその受け取った物について無償で使用及び収益をして契約が終了したときに返還をすることを約することによって、その効力を生ずる。」
使用貸借と賃貸借の違い(表で比較)
| 項目 | 使用貸借 | 賃貸借 |
|---|---|---|
| お金を払うか | ❌ タダ(無償) | ✅ 地代を払う(有償) |
| 根拠条文 | 民法593条〜600条 | 民法601条〜622条 |
| 借地借家法 | ❌ 適用されない | ✅ 適用される(借主保護) |
| 借主が死亡したら | ❌ 契約終了 (相続されない) | ✅ 契約継続 (相続人に引き継がれる) |
| 貸主が死亡したら | ⚠️ 原則継続 (相続人が終了を主張できる) | ✅ 契約継続 (相続人は終了を主張できない) |
| 借主の保護 | 弱い | 強い |
| 典型例 | 親の土地に子が家を建てる 親族間の無償利用 | アパート・マンション 駐車場 |
「固定資産税を払ってる」だけでは賃貸借にならない!
固定資産税を子どもが負担してても、それは「地代」とは評価されない。
「地代」として、毎月お金を払ってないと、使用貸借のまま。
使用貸借は相続で終了する
民法597条3項
使用貸借の終了原因(まとめ)
| 終了原因 | 根拠条文 | 説明 |
|---|---|---|
| 借主の死亡 | 民法597条3項 | 借主が死亡した時点で終了。相続されない。 |
| 期間満了 | 民法597条1項 | 期間の定めがある場合、期間満了で終了。 |
| 目的達成 | 民法597条2項 | 「大学卒業まで」など、目的が達成されたら終了。 |
| 契約解除 | 民法543条 | 用法違反、信頼関係破壊があれば解除可能。 |
| 貸主の死亡 | – | 原則継続。ただし相続人が終了を主張可能。 |
ケース ①
親の土地に、25歳のときに家を建てた。
親から「タダでいいよ」って言われて、地代は払ってなかった。
30年間、ずっとタダ。
親も「息子が住んでるんだから、当然」って思ってた。
でも、親が亡くなって、土地を兄弟2人で相続。
兄:50%、知り合い:50%。
兄は、別のところに住んでて、この土地は使ってない。
で、兄が「俺の持分50%に対して、地代払ってよ」って言ってきた。
地代の請求は正当
相場の地代を払う必要がある
| 計算方法 | 計算式 | よく使われる場面 |
|---|---|---|
| 公租公課倍率法 | 固定資産税 × 2〜3倍 | 裁判例・鑑定実務で多い 住宅地:2〜2.5倍 商業地:3〜5倍 |
| 更地価額法 | 更地価額 × 6% | 国税庁通達 相続税・贈与税の計算 |
具体例:固定資産税が年間40万円の場合
【公租公課倍率法で計算】
40万円 × 2.5倍 = 100万円/年
月額: 約8.3万円
【更地価額法で計算】
更地価額3,000万円 × 6% = 180万円/年
月額: 約15万円
都市部商業地:倍率が高い(固定資産税の3〜5倍)
地方の住宅地:倍率が低い(固定資産税の2倍程度)
一律ルールはないので、裁判になったら不動産鑑定士の意見を参考にする。
生前に賃貸借契約しておくべきだった
相続人は、その契約を引き継ぐだけ。
勝手に地代を上げることもできない。
立ち退き請求されるリスクも
兄は、立ち退きを請求できる。
裁判すれば、知り合いが負ける可能性が高い。
「30年住んでる」は弱いのか?
「長期居住」は正当事由の判断で、借主側の事情として重く評価される。
使用貸借の場合:
借地借家法の保護がないため、「貸主の好意により長年無償使用」という構造。
単に居住年数だけでは強い権利主張につながらない。
ケース ②
おじいちゃんの土地に、孫が家を建てて住んでた。
おじいちゃんが「好きに使え」って言ってたから、タダで30年。
おじいちゃんが亡くなって、土地をおじさん(孫の父親)が相続。
おじさんは「息子が住んでるんだから、そのままでいい」って言ってた。
で、次におじさんが亡くなった。
土地を孫と、孫の兄弟で相続。
兄弟が「俺の持分に対して地代払え」って言ってきた。
孫は「親父もタダでいいって言ってたじゃん」って反論。
でも、法律的には兄弟が正しい。
結局、裁判になって、地代を払うことになった。
契約書を作るべき
✅ 少額でもいい(月5,000円、1万円でもOK)
✅ お金を払ってれば、賃貸借になる
✅ 賃貸借なら、親が亡くなっても契約は続く
✅ 相続人が勝手に地代を上げることもできない
これが一番安全。
地代を払ったという証拠を残す
しかも、地代を払ったという証拠を残す。
| 支払方法 | 証拠 | 評価 |
|---|---|---|
| 銀行振込 | ✅ 通帳に記録が残る | ベスト! |
| 現金手渡し | ❌ 証拠が残らない | NG |
| 領収書 | △ 毎月発行する必要 | まあOK |
銀行振込がベスト。
「毎月、地代1万円を振り込んでました」って証明できる。
これが重要
✅ 「相続人も、この契約を引き継ぐ」
これを書いておけば、親が亡くなっても契約は続く可能性が高い。
ただし、相続人全員の同意が必要。
親だけじゃなくて、将来の相続人(兄弟とか)にも、事前に了解を取っておく。
そうすれば、相続後に揉めない。
公正証書は、高い証明力を持ち、紛争時に有力な証拠となる。
でも、費用がかかる(数万円)。
相続人の同意を取った上で、普通の契約書でも十分。
心配なら、公正証書化を検討。
まとめ
✅ 使用貸借は、借主が亡くなると終了する(民法597条3項)
✅ 貸主(親)が亡くなると、相続人から地代を請求されるリスクがある
✅ 最悪、立ち退き請求されることも
✅ 生前に賃貸借契約を結んで、地代を払っておくべき
✅ 少額でもいいから、お金を払えば賃貸借になる
✅ 賃貸借なら、親が亡くなっても契約は続く
✅ 親子間でも、契約書を作るのが一番安全
※宅建・行政書士学習の内容をまとめたものです。間違いがあればご指摘ください。
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