近所の空き家に貼ってあった「謎の紙」の正体【競売物件】

競売物件について解説したアイキャッチ画像

見たことある人は少ないかもしれませんが、空き家に紙が貼ってあった。

近づいて見てみたら、「競売開始決定」と。

裁判所の名前も入ってて、なんか物々しい雰囲気。

「あ、これか…」って思った。

債権回収のこと学んでたから、すぐにピンときたんですよね。

これ、住宅ローン払えなくなった最終段階なんです。

競売物件、実は年間1万件以上ある

競売物件って、どのくらいあるか知ってます?

2024年の全国の競売件数:約11,415件

これ、2023年から329件増えてて、15年ぶりの増加らしい。

地域別の競売件数(2024年)

都道府県 競売件数(件/年)
東京都 854件
神奈川県 776件
大阪府 748件
千葉県 633件
埼玉県 621件

都市圏に集中してるんですよね。

東京だけで年間854件。

ってことは、1日2〜3件は競売の札が貼られてる計算。

街を歩いてて見かける競売物件、実はめちゃくちゃ多い。

競売になるまでの流れ【データ付き】

競売の札が貼られるまで、どのくらいかかるか。

滞納開始から競売成立まで:平均12〜18ヶ月

こんな流れです:

1. 住宅ローン滞納(0ヶ月目) 3ヶ月〜6ヶ月滞納すると、銀行から督促が来る

2. 銀行が抵当権を実行(7〜9ヶ月目) 「もう待てません」って、裁判所に申し立て

3. 競売開始決定(7〜9ヶ月目) 裁判所が「競売やります」って決定 この時点で、あの札が貼られる

4. 執行官が現地調査(10〜12ヶ月目) 家の中を調査して、写真撮る

5. 入札・落札(12〜18ヶ月目) 競売で売却される

6. 明け渡し(18ヶ月目) 新しい所有者に引き渡し

トータル1年〜1年半。

長いようで、あっという間。

競売の札には何が書いてあるの?

競売の札、ちゃんと見たことなかったんで、今回じっくり観察してみた。

書いてあるのは、こんな感じ:

  • 裁判所の名前
  • 事件番号
  • 「競売開始決定」っていう文字
  • 物件の所在地
  • 執行官が現地調査に来る日時

この札が貼られてる家、実は登記情報が見れるんですよ。

登記情報提供サービスで、1件332円

抵当権が何本付いてるのか、誰が債権者なのか、いつ差し押さえられたのか。

全部見れる。

街で見かけたら、ちょっと調べてみるのも面白い。

競売 vs 任意売却【データ比較】

競売になる前に、「任意売却」っていう選択肢がある。

どっちがいいのか、データで比較してみた。

項目 競売 任意売却
価格 市場価格の50〜70% 市場価格に近い
期間 12〜18ヶ月 1〜3ヶ月
成功率 95%以上(落札率) 50〜60%
(競売前なら90%以上)
周囲にバレる 札が貼られるのでバレる 普通の売却なのでバレにくい
残債の返済 安く売れるので残債多い 高く売れるので残債少ない

競売の価格例:

市場価格2,000万円の家 → 競売で1,000万〜1,400万円で落札

めっちゃ安い。

でも、その分リスクもある。

競売物件のリスク

1. 中が見れない

外から撮った写真と、執行官のレポートだけ。

中がどうなってるか、分からない。

2. 立ち退きトラブル

前の所有者が「出て行かない!」って言い張るケース。

強制退去の手続き、めっちゃ面倒。

3. 瑕疵物件の可能性

競売物件は、任意売却より瑕疵物件の割合が高い。

雨漏り、シロアリ、土壌汚染…

後から発覚しても、文句言えない。

なんで競売になるの?

競売になる理由、データで見てみた。

住宅ローン滞納:約95%

圧倒的に多い。

税金滞納:約80%

固定資産税とか住民税とか、長期間払わないと競売になる。

その他:

  • 事業の借金(連帯保証人)
  • 相続トラブル

街で見かける競売物件、ほとんどが住宅ローン滞納。

競売物件って買えるの?

競売物件、実は誰でも買える。

裁判所のサイト(BIT)で、全国の競売物件が見れる。

BIT(不動産競売物件情報サイト) 

住所、写真、価格、全部公開されてる。

市場価格の50〜70%だから、不動産投資家がよく買う。

でも、上級者向け。

初心者が手を出すと、痛い目に遭う可能性が高い。

任意売却を選ぶべき人

競売になる前に、任意売却を検討した方がいい人:

✅ 周囲にバレたくない人 札が貼られると、近所中にバレる

✅ 残債を減らしたい人 高く売れるので、残債が減る

✅ 時間がない人 競売は1年以上かかるけど、任意売却は1〜3ヶ月

任意売却の成功率:

  • 競売開始前に相談 → 90%以上
  • 競売開始後に相談 → 50〜60%

早めに動くのが大事。

地域別の傾向【2024年データ】

さっきのデータ、もう少し詳しく見てみる。

地域 競売件数(件/年) 任意売却件数(件/年) 備考
東京23区 736 約70%(推定) 競売に対し任意売却を選択するケース多い
横浜市 365 約50%(推定)  
千葉市 146 約40%(推定)  
さいたま市 123 約45%(推定)  
大阪市 391 約60%(推定)  
神戸市 293 約55%(推定)  
京都市 154 約50%(推定)  

東京23区、任意売却を選ぶ人が多いんですよね。

情報が多いから、早めに動ける。

地方だと、競売まで行くケースが多い。

まとめ:競売は債権回収の最終手段

競売の札、街で見かけることあると思うんですけど、あれって債権回収の最終段階。

データまとめ:

  • 年間競売件数:11,415件(2024年、15年ぶりの増加)
  • 滞納から競売まで:平均12〜18ヶ月
  • 競売価格:市場価格の50〜70%
  • 任意売却の成功率:競売前なら90%以上

競売になる前に、任意売却を検討した方がいい。

早めに動けば、残債も減るし、周囲にもバレにくい。

債権回収の知識が増えると、街の見え方が変わるんですよね。

「あの家、競売の札貼ってあるな」じゃなくて、「この家の人、今どういう状況なんだろう」って考えるようになった。


※この記事は行政書士勉強中の内容と公的統計データをまとめたものです。間違いがあればご指摘ください。

#行政書士 #債権回収 #競売 #抵当権 #不動産

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