あべのハルカスができて、天王寺の地価が168%爆上がりした件

あべのハルカスの地価が値上がりしたことについて解説するアイキャッチ画像

天王寺を歩いてみて、思ったこと。

あべのハルカス、デカすぎる。

日本一高いビルが、大阪の真ん中にドーンと建ってる。

「この土地、いくらするんだろう?」って気になって、調べてみた。

そしたら、マジでヤバいことが分かった。

ハルカスができる前と後で、地価が168%上がってる。

2013年に209万円/㎡だった土地が、2023年には352万円/㎡。

坪単価で言うと、906万円。

これ、全国でもトップクラスの地価ですよ。

しかも、ハルカスができる前は、ここ何があったのか?

調べてみたら、再開発の裏側がめちゃくちゃ面白かった。

権利者3,000人以上をまとめて、約40年かけて開発。

近鉄の土地活用戦略、マジで上手いなって。

今日は、その話を解説します。

あべのハルカスの土地、坪単価906万円

まず、現在の地価から。

2025年の公示地価を見ると、阿倍野筋周辺の地価がエグい。

天王寺・阿倍野エリアの公示地価(2025年)

エリア ㎡単価 坪単価 参考
阿倍野筋 274万円/㎡ 906万円 ハルカス周辺
天王寺駅周辺 222万円/㎡ 737万円 駅前エリア

坪単価906万円。

これ、どのくらいヤバいかって言うと、東京の主要エリア並み。

梅田とかキタエリアよりも高い場所もある。

大阪市内でもトップクラスの地価です。

あべのハルカスの敷地面積は約28,700㎡

ハルカスの敷地面積は約28,700㎡(約8,680坪)。

仮に坪単価906万円で計算すると:

8,680坪 × 906万円 = 約786億円

土地だけで786億円。

建物も含めたら、1,000億円超えるレベル。

これが天王寺のど真ん中にある。

ハルカスができる前と後で、地価が168%上昇

で、ここからが本題。

ハルカスができる前と後で、地価がどう変わったのか。

あべのハルカス建設前後の地価推移

地価(㎡単価) 坪単価(参考) 変化率
H25(2013年) 209万円/㎡ 約691万円
R5(2023年) 352万円/㎡ 約1,164万円 +168%
増加額 +143万円/㎡ +473万円/坪

2013年から2023年の10年間で、+168%

㎡単価で143万円の上昇。

坪単価で言うと、473万円の上昇。

これ、異常値ですよ。

全国的に見ても異常な上昇率

全国の主要都市の地価上昇率(2013年→2023年)と比較すると:

主要都市の地価上昇率(2013年→2023年)

エリア 上昇率 備考
阿倍野(ハルカス周辺) +168% 全国トップクラス
東京23区平均 +50〜80% オリンピック効果含む
大阪市平均 +40〜60% 梅田・難波含む
地方都市平均 +10〜30% 駅前再開発エリア

東京23区平均の2倍以上の上昇率。

大阪市平均と比べても、3倍近い上昇。

これが「ハルカス効果」です。

ハルカスができる前、ここ何があったのか?

で、ハルカスができる前、ここは何があったのか。

調べてみたら、意外な事実が分かった。

建設前は「あべのキューズタウン」だった

ハルカスの場所には、以前「あべのキューズタウン」っていう商業施設があった。

2011年に閉店して、そのあとハルカスが建設された。

キューズタウンは低層の商業施設で、イトーヨーカドーとか専門店が入ってた。

でも、駅直結じゃなかったし、古い建物だった。

建設前後の比較

項目 建設前(〜2011年) 建設後(2014年〜)
施設名 あべのキューズタウン あべのハルカス
高さ 低層(数階建て) 300m(日本一)
用途 商業施設のみ 百貨店・オフィス・ホテル・展望台
駅直結 なし あり(近鉄・JR・地下鉄)
地価(㎡単価) 約209万円 約352万円

低層の商業施設が、日本一の超高層ビルに変わった。

これが地価を押し上げた最大の要因。

なんで地価が168%も上がったのか?

理由は大きく3つ。

理由1:超高層ビル効果

日本一高いビルが建ったことで、天王寺のランドマークになった。

観光客が激増して、周辺の商業施設も潤った。

展望台「ハルカス300」は年間100万人以上が訪れる。

これが周辺の地価を押し上げた。

理由2:駅直結の利便性

ハルカスは近鉄・JR・地下鉄の3路線が直結してる。

これ、めちゃくちゃ便利ですよね。

駅から濡れずに行けるし、乗り換えもスムーズ。

「駅直結」っていうだけで、地価は跳ね上がる。

宅建の勉強してても、「駅からの距離」って、不動産価格に超影響する。

徒歩1分と徒歩5分で、価格が全然違う。

ハルカスは「徒歩0分」ですからね。

理由3:周辺の再開発効果

ハルカスだけじゃなく、周辺も一緒に整備された。

  • てんしば(天王寺公園の再整備)
  • あべのキューズモール(別の場所に新設)
  • MIO(近鉄百貨店の改装)

天王寺エリア全体が「第3の繁華街」として発展した。

梅田・難波に次ぐ、大阪の主要エリアになったんですよ。

天王寺エリアの発展

施設 オープン年 効果
あべのハルカス 2014年 日本一のランドマーク化
てんしば 2015年 天王寺公園の集客力UP
あべのキューズモール 2011年 若者向け商業施設
MIO改装 2013年 駅ビルのリニューアル

これ全部、近鉄が主導してる。

近鉄の土地活用戦略、マジで上手い。

権利者3,000人をどうまとめたのか?【再開発の裏側】

で、ここからが一番面白い話。

阿倍野の再開発、マジで大変だったらしい。

再開発の規模がヤバい

阿倍野再開発の規模

項目 数値 備考
再開発エリア 約28ha 東京ドーム約6個分
権利者数 3,000人以上 地権者・借地人・借家人
開始年 昭和51年(1976年) 計画スタート
完成年 2014年 ハルカス開業
期間 約38年 超長期プロジェクト
事業方式 第二種市街地再開発事業 用地買収方式

権利者3,000人以上。

これ、マジでヤバい数字ですよ。

1人1人と交渉して、土地を買収して、権利を整理する。

38年かかったのも納得。

用地買収方式 = 土地をまとめて買い取る

阿倍野再開発は「第二種市街地再開発事業」って方式。

これ、簡単に言うと:

施行者(大阪市・近鉄)が土地を全部買い取って、再開発する

っていう仕組み。

再開発の仕組み

ステップ 内容
1. 計画策定 大阪市が再開発計画を作成
2. 用地買収 施行者が地権者から土地を買い取る
3. 権利変換 従前の権利を新しいビルの床に変換
4. 建設 超高層ビル建設
5. 床の分配 権利者に新ビルの区分所有権を渡す

これ、宅建で習う「市街地再開発事業」ってやつ。

権利者全員の同意を取るのは無理だから、一定の要件を満たせば強制的に買収できる。

収用権を使って、土地をまとめる。

権利者はどうなった?

3,000人以上の権利者、全員がハッピーになったわけじゃない。

  • 買収に応じた人:お金をもらって退去
  • 新ビルに入居した人:ハルカスのテナントになった
  • 反対した人:最終的には収用された

再開発って、こういう側面もあるんですよ。

「街が良くなる」っていう綺麗な話だけじゃない。

近鉄の土地活用モデル、マジで上手い

近鉄って、土地活用がめちゃくちゃ上手い。

なんでかって言うと、長期的な視点で開発してるから。

近鉄の戦略:駅を中心に街を作る

近鉄の土地活用モデルは:

駅 → 駅ビル → 周辺整備 → 街全体の価値UP

っていう流れ。

近鉄の土地活用戦略

ステップ 内容 効果
1. 駅の整備 天王寺駅をハブ化 乗降客数UP
2. 駅ビル建設 あべのハルカス(日本一) ランドマーク化
3. 周辺整備 てんしば・キューズモール 回遊性UP
4. 街全体の価値UP 地価上昇・人口増加 鉄道収入UP

これ、私鉄の不動産戦略の教科書みたいなやつ。

駅ビルを作って人を集める → 鉄道の利用者が増える → また不動産で稼ぐ

っていう好循環。

他の私鉄との比較

私鉄の駅ビル開発事例

私鉄 主要駅ビル 特徴
近鉄 あべのハルカス 日本一の高さ・複合施設
東急 渋谷ヒカリエ・スクランブルスクエア 若者向け・IT企業誘致
阪急 グランフロント大阪 梅田再開発・高級路線
JR東日本 ルミネ・アトレ 駅ナカ商業施設

近鉄は「日本一の高さ」っていうインパクトで勝負した。

これが成功して、天王寺が大阪の主要エリアになった。

地価上昇で何が起きたのか?【周辺への影響】

地価が168%上がって、何が起きたのか。

良い影響:街が活性化した

  • 新しい店が増えた
  • 観光客が増えた
  • 雇用が生まれた
  • 税収が増えた(大阪市)

天王寺エリア全体が潤った。

悪い影響:家賃が上がった

地価が上がると、家賃も上がる。

昔からある商店街の店とか、家賃が2倍になって閉店したケースもあるらしい。

これ、再開発のダークサイド。

「街が良くなる」っていうのは、「地価が上がる」っていうことでもある。

地価が上がると、古くからの住民が住めなくなる。

ジェントリフィケーションって言われる現象。

固定資産税も上がった

地価が上がると、固定資産税も上がる。

土地を持ってる人は、税金の負担が増える。

例えば:

固定資産税の試算(参考値)

時期 土地評価額(100㎡) 固定資産税(年額)
2013年 約2,090万円 約29万円
2023年 約3,520万円 約49万円
増加額 +20万円/年

※固定資産税は評価額の1.4%で試算(商業地・住宅用地の特例なし)

土地を持ってるだけで、年間20万円の負担増。

これ、小さな商店とかだとキツい。

街を歩くと見える「ハルカス効果」

天王寺を歩いてると、ハルカスの影響がめちゃくちゃ見える。

チェックポイント

□ 新しいビルが増えた
□ 観光客が増えた
□ 地元の店が減った
□ チェーン店が増えた
□ マンションが増えた

これ全部、地価上昇の影響。

宅建勉強してると、「あ、これ再開発の影響だな」って分かるようになった。

街の見え方が変わるんですよ。

まとめ:再開発で地価は爆上がりする

あべのハルカスの地価、マジでヤバかった。

データまとめ:

  • 2013年→2023年で地価が168%上昇
  • 坪単価906万円(全国トップクラス)
  • ハルカス建設前は209万円/㎡
  • 建設後は352万円/㎡
  • 権利者3,000人以上をまとめて38年かけて再開発
  • 近鉄の長期戦略が成功

再開発って、地価を変える力がある。

超高層ビルが1つできるだけで、街全体が変わる。

良い面もあれば、悪い面もある。

でも、天王寺は確実に「第3の繁華街」になった。

梅田・難波に次ぐ、大阪の主要エリア。

近鉄の土地活用戦略、マジで上手いなって思います。

宅建勉強してて良かった点は、こういう「街の変化」の理由が分かること。

「なんでこんなに開発されてるの?」

「なんで地価が上がってるの?」

っていう疑問に、データで答えられる。

知識があると、街歩きが楽しくなるんですよ。

あなたの地元でも、再開発で地価が変わってる場所、ありませんか?


※この記事は宅建合格者・行政書士勉強中の内容と公的統計データをまとめたものです。地価データは国土交通省地価公示を参照しています。

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