近所のアパート、ずっと空室なんだけど大丈夫?【空室率75%は危険信号】

アパートの空き家問題について解説するアイキャッチ画像

地元に、めっちゃ空室多いアパートがある。

築30年くらいの2階建てで、全8室のうち、入居してるの2室だけ。

残り6室、ずっと空いてる。そんな風景見かけませんか?

入居率25%(空室率75%)。

「家賃入らないじゃん。大丈夫なの?」って思ってたんですけど、行政書士の勉強してて、オーナーの立場で考えたらヤバいことに気づいた。

空室多いアパート、実はめちゃくちゃ危険な状態らしい。

空室率75%は異常値【データで見る】

まず、このアパートの空室率がどれだけヤバいか、データで見てみる。

全国の空室率データ(2025年)

項目 空室率
全国平均 13.2%
東京23区 8.5〜11%
大阪市 11.4%
地方都市 約10%
築30年以上 20〜30%
このアパート 75%

全国平均の5倍以上

築30年以上の平均と比べても、2倍以上

完全に異常値。

築年数別の空室率

築年数 空室率 状況
築0〜10年 約5% 需要が高く早期入居
築11〜20年 約10% 設備の古さで競争力低下
築21〜30年 15〜20% 築古化で需要低下
築30年以上 20〜30% 設備更新なしでは長期空室

築年数が進むほど、空室率は上がる。

このアパート、築30年で空室率75%。

完全にヤバい。

空室率30%超えで赤字転落【収支シミュレーション】

空室率が高いと、どのくらいヤバいのか。

収支をシミュレーションしてみた。<h3>8室アパートの収支モデル</h3>

前提条件:

  • 8室のアパート
  • 満室時の家賃収入:月50万円(1室6万円×8室)
  • 年間ローン返済額:265万円
  • 年間管理・修繕費:120万円
  • 固定資産税:40万円
空室率(%) 年間実収入(万円) 損益(万円) 黒字/赤字
0 600 +175 黒字(余裕あり)
5 570 +145 黒字
10 540 +115 黒字
15 510 +85 黒字
20 480 +55 黒字
25 450 +25 黒字
30 420 -5 赤字ライン突破
35 390 -35 赤字
40 360 -65 赤字
75(このアパート) 150 -275 大赤字

空室率30%を超えると、赤字転落。

このアパート、空室率75%だから、年間275万円の赤字

毎月23万円の赤字。

収入より支出の方が圧倒的に多い。

これ、マジでヤバい。

家賃収入ゼロでも支払いは続く

空室多いアパート、何がヤバいって、収入ないのに支出は止まらないこと。

年間支出の内訳:

  • ローン返済:265万円
  • 管理・修繕費:120万円
  • 固定資産税:40万円
  • 合計:425万円

年間収入(入居率25%):

  • 家賃収入:150万円

年間赤字:275万円

毎年275万円の赤字。

10年で2,750万円の赤字。

ローン完済前に、オーナーが破綻する。

なんで満室にしないの?

「じゃあ家賃下げて満室にすればいいじゃん」って思うじゃないですか。

でも、そう簡単にいかないらしい。

家賃を下げられない理由:

1. 既存入居者からクレーム 新規だけ安くすると、「なんで?」って言われる。 全室下げないといけなくなる。

2. そもそも需要がない 築30年、駅から遠い、設備が古い、エアコンなし、ネット環境ダメ。 家賃下げても、誰も住みたがらない。

3. リフォームする金がない 1室あたり50〜100万円かかる。 6室だったら、300〜600万円。 そんな金、ない。

4. 売るにも売れない 空室多い収益物件、買い手がつかない。 投資家から見たら、「利回り悪いな」ってすぐ分かる。

完全に詰んでる。

相続したら地獄

こういうアパート、相続で引き継ぐケースが多いらしい。

親が昭和の時代に建てたアパート、子どもが相続する。

「不労所得だ!ラッキー!」って思ったら、実際は年間275万円の赤字物件だった、みたいな。

相続したら、すべての債務も引き継ぐ。

  • アパートローンの残債
  • 管理会社との契約
  • 入居者との賃貸借契約
  • 固定資産税の支払い義務

全部そのまま引き継がれる。

相続放棄すればいい?

→ 他の財産も全部放棄することになる。 実家の土地も、預金も、全部ダメ。

しかも、相続放棄は相続を知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所で手続き。

知らずに3ヶ月過ぎたら、自動的に相続したことになる。

街で見かける空室だらけのアパート、相続した子どもが「どうしようもない」って困ってるケース、めちゃくちゃ多いらしい。

オーナーが破綻するとどうなる?

アパートオーナーがローン返済できなくなったら、銀行が抵当権を実行する。

そうすると、アパートごと競売にかけられる。

賃貸物件の競売件数:年間約1万件

意外と多い。

入居者はどうなる?

実は、入居者の権利は保護される。

競売で買った人が新しいオーナーになっても、賃貸借契約はそのまま継続。

入居者は追い出されない。

敷金返還義務も、新オーナーが引き継ぐ。

これ、民法の「賃貸借の対抗力」っていうルール。

でも、新オーナーが「リフォームして満室にするぞ!」って思っても、既存入居者がいたら簡単に立ち退いてもらえない。

正当事由が必要だし、立退料も払わないといけない。

空室多いアパート、誰が買っても苦労する物件なんですよね。

賃料債権の差押もある

オーナーが借金してたら、賃料を差し押さえられることもある。

たとえば、オーナーが事業で失敗して、債権者に訴えられたとする。

裁判所が「オーナーの財産を差し押さえる」って決定を出す。

そうすると、アパートの賃料も差し押さえ対象になる。

入居者に「今月から家賃をオーナーじゃなくて、債権者の口座に振り込んでください」って通知が届く。

これが「賃料債権の差押」。

入居者からしたら、「え、どういうこと?」ってなる。

でも、裁判所からの通知だから、従わないといけない。

街で見かける空室多いアパート、オーナーの債務整理が進んでて、賃料債権が差し押さえられてるケースもあるらしい。

管理会社が撤退するパターン

空室多いと、管理会社も撤退する。

管理会社の収入って、家賃の5%とか。

家賃6万円の部屋だったら、管理料3,000円。

8室のうち2室しか埋まってなかったら、管理料は月6,000円。

これじゃ、管理会社も採算合わない。

「このアパート、もう管理できません」って言われて、契約解除されることもあるらしい。

そうなったら、オーナーが自主管理するしかない。

家賃の集金、クレーム対応、清掃、全部自分でやる。

でも、オーナーが高齢だったら、無理ですよね。

管理会社がいなくなって、さらに荒れる。

共用部分が汚くなる、郵便受けがチラシだらけ、外壁が剥がれる。

そうなると、ますます入居者が来なくなる。

悪循環。

リフォームしても改善は限定的

「リフォームすれば埋まるんじゃない?」って思うじゃないですか。

でも、データを見ると、改善は限定的。

築30年の物件をリフォームした場合:

  • 1室あたりのリフォーム費用:50〜100万円
  • 入居率の改善:10〜20%

空室率75%のアパートをリフォームしても、空室率が55〜65%になるだけ。

依然として赤字。

しかも、6室リフォームしたら、300〜600万円かかる。

その金、どこから出すの?

ローン完済してないのに、追加で借金?

無理ゲー。

「大丈夫じゃない」が正解

結論、空室多いアパート、大丈夫じゃないことが多い。

データまとめ:

  • 全国平均空室率:13.2%
  • 築30年以上の平均空室率:20〜30%
  • 空室率30%超えで:赤字転落
  • 空室率75%(このアパート):年間275万円の大赤字
  • 賃貸物件の競売件数:年間約1万件

オーナーは毎月赤字、ローン返済が苦しい、売るに売れない、相続で押し付けられた子どもも困ってる。

街を歩いてて、「このアパート、ずっと空室だな」って思ったら、それはオーナーが苦しんでるサイン。

行政書士の勉強してて、相続や債権回収のこと学んでると、「あのアパート、ヤバいやつだ」ってすぐ分かるようになった。

賃貸経営って、空室リスクがマジでデカい。

「不労所得!」って思って始めたら、実際は借金地獄、みたいな話、相談ベースでめちゃくちゃ多いらしいです。


※この記事は行政書士勉強中の内容と公的統計データをまとめたものです。間違いがあればご指摘ください。

#行政書士 #不動産投資 #賃貸経営 #空室リスク #相続

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