うちの実家の隣の家、もう5年くらい空き家なんですよ。
5年前までは、普通におじいちゃんが住んでた。
でも、おじいちゃんが亡くなってから、誰も来ない。
窓は閉まったまま、庭は雑草だらけ。
郵便受けにはチラシが溢れてて、明らかに誰も住んでない。
「もったいないなー、貸せばいいのに」って最初は思ってた。
でも、これ相続でモメてるパターンだなって、最近気づいたんです。
宅建勉強してるんですけど、試験の時は「共有名義はトラブルになりやすい」って暗記しただけで、実感なかったんですよね。
街で実際に見ると、「ああ、こういうことか」ってようやく理解できた。
今日は、なんで空き家が放置されるのか、相続の裏側を解説します。
日本の空き家、約6割が「相続」で発生してる
まず、データから。
国土交通省の空き家所有者実態調査によると、空き家の取得経緯で一番多いのが「相続」。
約6割が相続で取得した空き家。
空き家の取得経緯(国土交通省調査)
| 取得経緯 | 割合 | 備考 |
|---|---|---|
| 相続 | 約60% | 親が亡くなって引き継いだ |
| 新築・購入 | 約25% | 自分で買ったが住まなくなった |
| その他 | 約15% | 贈与・その他 |
6割って、マジで多いですよね。
つまり、空き家問題 = 相続問題って言っても過言じゃない。
空き家は約900万戸、今後2倍に増える
2023年時点で、日本の空き家は約900万戸。
空き家率は13.8%。
しかも、長期的に約2倍に増加するって予測されてる。
日本の空き家の推移と予測
| 年 | 空き家数 | 空き家率 |
|---|---|---|
| 2023年 | 約900万戸 | 13.8% |
| 2030年(予測) | 約1,100万戸 | 約16% |
| 2040年(予測) | 約1,800万戸 | 約20% |
2040年には、5軒に1軒が空き家になる。
これ、マジでヤバい数字ですよ。
なんで相続で空き家になるの? → 共有名義で売却できない
で、なんで相続で空き家になるのか。
理由は共有名義。
相続が発生すると、不動産は基本的に相続人全員の共有財産になります。
例えば、お父さんが亡くなって、子供が3人いたとします。
この場合、実家は3人の共有名義になるんですよ。
で、ここからが問題。
共有名義だと、何もできない
共有名義の不動産で「できないこと」
| 行為 | 必要な同意 | リスク |
|---|---|---|
| 売却 | 全員の同意 | 1人でも反対したら売れない |
| 賃貸 | 全員の同意 | 貸すこともできない |
| 大規模修繕 | 過半数の同意 | 意見が割れると進まない |
| 解体 | 全員の同意 | 取り壊しもできない |
| 固定資産税 | 共有者全員に請求 | 誰かが立て替えてトラブル |
売るのも、貸すのも、解体するのも、全員の同意が必要。
1人でも反対したら、何もできない。
例えば:
長男:「売りたい」
次男:「いや、貸したい」
三男:「思い出の家だから残したい」
こうなったら詰みです。
意見がまとまらないから、結局何もできない。
だから空き家のまま放置されるんですよね。
共有名義の住宅、約845万戸もある
で、この共有名義の住宅、どのくらいあるかって言うと。
民間調査によると、全国で約845万戸。
持ち家の約5戸に1戸が共有状態。
共有名義の住宅数
| 項目 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 共有持ち分付き住宅 | 約845万戸 | 全国推計 |
| うち現住戸 | 約612万戸 | 誰かが住んでる |
| うち現住戸以外 | 約233万戸 | 空き家・別荘など |
| 割合 | 持ち家の約5戸に1戸 | — |
5戸に1戸が共有状態って、マジで多いですよね。
しかも、共有不動産が適切に管理されないことが空き家増加の一因って指摘されてる。
つまり、共有名義 → 管理できない → 空き家化っていう流れ。
実際によくあるパターン【3選】
隣の家も含めて、実際によくあるパターンを3つ紹介します。
パターン1:話し合いができない
兄弟仲が悪くて、そもそも連絡取れない。
「あいつとは話したくない」ってなると、もう進まない。
固定資産税だけ誰かが立て替えて払い続けて、家はどんどん朽ちていく…
パターン2:遠方に住んでる相続人がいる
長男は地元、次男は東京、三男は大阪。
「とりあえず保留で」ってなって、そのまま5年、10年…
これが一番多いパターンらしい。
パターン3:「誰かが住むかも」で決まらない
「将来、誰かの子供が使うかも」
「いつか自分が帰ってくるかも」
こういう「かも」が重なると、決断できないんですよね。
で、結局誰も住まないまま、放置される。
うちの隣の家も、たぶんこれ
隣の家のおじいちゃん、5年前に亡くなったんです。
子供さんは3人いて、みんな県外。
で、そこから一度も誰も来てない。
たぶん、遺産分割協議がまとまってないんだと思う。
もしくは、面倒で放置してるか。
固定資産税は誰かが払ってるはずだから、完全に放棄はしてないみたいなんですけど、家は確実に傷んでます。
窓は閉まったまま、庭は雑草だらけ。
郵便受けにはチラシが溢れてる。
これ、典型的な「共有名義で売却できない」パターンだなって。
空き家のまま放置されるとどうなる?
空き家を放置すると、どうなるのか。
リスク1:家が傷む(5年で住めなくなる)
人が住まない家は、老朽化が早い。
5年も放置されたら、もう住めないレベルになってることも。
雨漏り、カビ、シロアリ、床の腐食…
修繕するにも数百万円かかる。
リスク2:固定資産税だけかかる
でも固定資産税は毎年かかる。
誰かが立て替えることになって、それもトラブルの元に。
「なんで俺だけ払ってるんだ」ってなる。
リスク3:解体費用が高くて赤字
家が傷んだから解体しようと思っても、解体費用がかかる。
解体費用の相場
| 構造 | 坪単価 | 30坪の場合 |
|---|---|---|
| 木造 | 3〜5万円/坪 | 90〜150万円 |
| 鉄骨造 | 4〜6万円/坪 | 120〜180万円 |
| RC造 | 6〜8万円/坪 | 180〜240万円 |
30坪の木造住宅で、90〜150万円。
補助金が出る自治体もあるけど、それでも数十万円は自己負担。
空き家解体の補助金
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率 | 解体費用の1/3〜2/3 |
| 上限額 | 20〜100万円程度(自治体による) |
| 申請要件 | 空き家であること、老朽化・危険性、固定資産税の滞納がないこと |
補助金を使っても、木造二階建てで自己負担は数十万〜数百万円。
「売りたいけど、解体費用で赤字」ってなる。
リスク4:特定空家に指定される
さらにヤバいのが、特定空家への指定。
空家等対策特別措置法で定められてる。特定空家の指定基準
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 保安上の危険 | 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態 |
| 衛生上の有害 | 著しく衛生上有害となるおそれのある状態 |
| 景観の損失 | 適切な管理が行われず著しく景観を損なっている状態 |
| 生活環境の保全 | 周辺の生活環境の保全を図るため放置することが不適切な状態 |
特定空家に指定されると:
助言・指導 → 勧告 → 命令 → 行政代執行(強制解体)
という流れ。
しかも、勧告された時点で、固定資産税の住宅用地特例が外れる。
固定資産税が最大6倍になる。
これ、マジでヤバい。
相続登記の義務化が始まった(2024年4月)
2024年4月から、
相続登記が義務化されました。相続登記義務化(2024年4月〜)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期限 | 相続を知ってから3年以内 |
| 過料 | 10万円以下 |
| 対象 | 2024年4月以前の相続も含む |
| 問題点 | 共有名義で登記しても売却できない |
相続が発生したら、3年以内に登記しないと10万円以下の過料がかかります。
これ、けっこう厳しい。
今まで「そのうちやればいいや」で放置できたのが、できなくなった。
でも逆に言うと、今まではずっと放置されてたってことなんですよね…
問題:登記しても、共有名義なら売却できない
でも、ここが重要。
相続登記を義務化しても、共有名義の問題は解決しない。
共有名義で登記したところで、売却するには全員の同意が必要。
だから、空き家問題の根本的な解決にはならない。
じゃあどうすればよかったの?【対策4つ】
では、どうすればよかったのか。
対策を4つ紹介します。
対策1:遺言書を書いておく
お父さんが生きてる間に、遺言書で「長男に全部相続させる」とか決めておけば、共有にならない。
もちろん、他の兄弟の遺留分(最低限もらえる権利)はあるんですけど、それでも不動産は共有にならずに済みます。
対策2:早めに話し合う
相続が発生したら、できるだけ早く話し合う。
「とりあえず保留」が一番ダメ。
時間が経つほど、話がこじれます。
対策3:換価分割を選ぶ
売却して、現金を分けるのが一番スッキリ。
思い出の家だから…って気持ちも分かるんですけど、誰も住まないなら売った方がいい。
遺産分割の方法
| 方法 | 内容 | メリット・デメリット |
|---|---|---|
| 現物分割 | 不動産をそのまま分ける | 公平に分けるのが難しい |
| 代償分割 | 1人が相続して他の人に現金を払う | 現金がないと無理 |
| 換価分割 | 売却して現金を分ける | 一番スッキリ |
| 共有分割 | 共有名義にする | トラブルの元 |
換価分割が一番おすすめ。
対策4:弁護士・司法書士に相談する
自分たちだけで話し合いがまとまらないなら、専門家に相談。
弁護士や司法書士に間に入ってもらうと、スムーズに進むことが多い。
費用はかかるけど、放置するよりマシ。
街を見ると相続の勉強になる
空き家って、見方を変えると相続トラブルの証拠なんですよね。
空き家チェックポイント
□ 庭が荒れ放題
□ 郵便受けパンパン
□ 窓閉まったまま
□ でも取り壊されない
→ これ全部、「誰も決められない」ってサインかも。
宅建勉強してると、街の風景の見え方が変わって面白いです。
「あの家、空き家だな」→「たぶん共有名義で揉めてるんだろうな」って分かる。
知識があると、街歩きが楽しくなるんですよ。
まとめ:共有名義は争いの元。早めに対策を
隣の家の空き家、5年経ってますます荒れてます。
データまとめ:
- 日本の空き家は約900万戸(空き家率13.8%)
- 空き家の約6割が相続で発生
- 共有名義の住宅は約845万戸(持ち家の5戸に1戸)
- 共有名義だと売却・賃貸・解体すべて全員の同意が必要
- 解体費用は30坪の木造で90〜150万円
- 特定空家に指定されると固定資産税が最大6倍
- 相続登記義務化(2024年4月〜)でも共有名義の問題は解決しない
宅建の勉強してて、「共有は争いの元」ってめっちゃ出てきます。
教科書には書いてないけど、実際に街で見ると本当にそうなんだなって思う。
相続が発生したら、できるだけ早く話し合う。
「とりあえず保留」が一番ダメ。
共有名義にしないこと、これが一番大事。
あなたの実家、大丈夫ですか?
※この記事は宅建合格者・行政書士勉強中の内容と
国土交通省の空き家所有者実態調査をまとめたものです。
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