うちの実家の隣の家、もう5年くらい空き家なんですよ。
窓は閉まったまま、庭は雑草だらけ。
郵便受けにはチラシが溢れてて、明らかに誰も住んでない。
「もったいないなー、貸せばいいのに」って最初は思ってた。
でも、これ相続でモメてるパターンだなって、
最近気づいたんです。
宅建取ってるんですけど、試験の時は
「共有名義はトラブルになりやすい」って
暗記しただけで、実感なかったんですよね。
街で実際に見ると、「ああ、こういうことか」って
ようやく理解できた。
なんで空き家のまま放置されるの?
相続が発生すると、不動産は基本的に相続人全員の共有財産になります。
例えば、お父さんが亡くなって、子供が3人いたとします。
この場合、実家は3人の共有名義になるんですよ。
で、ここからが問題。
売るのも貸すのも全員の同意が必要
共有名義の不動産って、勝手に売却できないんです。
全員の同意がないとダメ。
- 長男:「売りたい」
- 次男:「いや、貸したい」
- 三男:「思い出の家だから残したい」
こうなったら詰みです。
意見がまとまらないから、結局何もできない。
だから空き家のまま放置されるんですよね。
実際によくあるパターン
パターン1:話し合いができない
兄弟仲が悪くて、そもそも連絡取れない。
「あいつとは話したくない」ってなると、もう進まない。
固定資産税だけ誰かが立て替えて払い続けて、家はどんどん朽ちていく…
パターン2:遠方に住んでる相続人がいる
長男は地元、次男は東京、三男は大阪。
「とりあえず保留で」ってなって、そのまま5年、10年…
パターン3:「誰かが住むかも」で決まらない
「将来、誰かの子供が使うかも」 「いつか自分が帰ってくるかも」
こういう「かも」が重なると、決断できないんですよね。
うちの隣の家も多分これ
隣の家のおじいちゃん、3年前に亡くなったんです。
子供さんは3人いて、みんな県外。
で、そこから一度も誰も来てない。
たぶん、遺産分割協議がまとまってないんだと思う。
もしくは、面倒で放置してるか。
固定資産税は誰かが払ってるはずだから、完全に放棄はしてないみたいなんですけど、家は確実に傷んでます。
相続登記の義務化が始まった
2024年4月から、相続登記が義務化されました。
相続が発生したら、3年以内に登記しないと10万円以下の過料がかかります。
これ、けっこう厳しい。
今まで「そのうちやればいいや」で放置できたのが、できなくなった。
でも逆に言うと、今まではずっと放置されてたってことなんですよね…
共有名義のリスク
宅建の勉強してて、「共有は争いの元」ってめっちゃ出てきます。
教科書には書いてないけど、実際に街で見ると本当にそうなんだなって思う。
何もできない
- 売る:全員の同意必要
- 貸す:全員の同意必要
- リフォーム:全員の同意必要(大規模な場合)
- 解体:全員の同意必要
税金だけかかる
でも固定資産税は毎年かかる。
誰かが立て替えることになって、それもトラブルの元に。
どんどん価値が下がる
放置された家は老朽化が早い。
5年も放置されたら、もう住めないレベルになってることも。
売りたくても、解体費用が高くて赤字…みたいな。
じゃあどうすればよかったの?
遺言書を書いておく
お父さんが生きてる間に、遺言書で「長男に全部相続させる」とか決めておけば、共有にならない。
もちろん、他の兄弟の遺留分(最低限もらえる権利)はあるんですけど、それでも不動産は共有にならずに済みます。
早めに話し合う
相続が発生したら、できるだけ早く話し合う。
「とりあえず保留」が一番ダメ。
時間が経つほど、話がこじれます。
換価分割を選ぶ
売却して、現金を分けるのが一番スッキリ。
思い出の家だから…って気持ちも分かるんですけど、誰も住まないなら売った方がいい。
街を見ると相続の勉強になる
空き家って、見方を変えると相続トラブルの証拠なんですよね。
- 庭が荒れ放題
- 郵便受けパンパン
- 窓閉まったまま
- でも取り壊されない
これ全部、「誰も決められない」ってサインかも。
宅建勉強してると、街の風景の見え方が変わって面白いです。
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