前編で、岐阜高島屋は「テナント入居型」だから土地売却できないって話をしました。
じゃあ、自社所有の百貨店はどうなるのか?
調べてみたら、シニアマンションに転換してるケースが多かった。
自社所有型とテナント入居型の違い(おさらい)
| 項目 | テナント入居型 (岐阜高島屋) | 自社所有型 (他の百貨店) |
|---|---|---|
| 土地・建物 | 大家が所有 | 百貨店が所有 |
| 閉店時の選択肢 | 店舗撤退のみ 土地売却できない | 土地売却→数十〜数百億円 デベロッパーと再開発 |
自社所有型だと、閉店時に土地を売却して現金化できる。
百貨店跡地の再開発パターン
で、自社所有の百貨店跡地、どうなってるのか?
🏗️ 百貨店跡地の再開発パターン
パターン①:土地売却→デベロッパーが再開発
百貨店が土地を売却
デベロッパー(大和ハウス、三菱地所など)が買い取り
商業施設+マンション+オフィスの複合開発
パターン②:自社で再開発(関連不動産会社)
百貨店グループの不動産会社が主導
下層階:商業施設(ドラッグストア、クリニックモール)
上層階:シニアマンション、サービス付き高齢者向け住宅
パターン③:共同再開発(百貨店+デベロッパー)
土地の一部を売却、一部を保有
百貨店の「顔」を残しつつ、上層階を住居化
賃貸収入+分譲利益
この中で、シニアマンション転換が増えてる。
なぜシニアマンションが増えるのか?
👴 シニアマンションが増える理由
理由①:駅前徒歩圏の高齢者需要が強い
百貨店は駅前一等地にある
高齢者は車に乗れない→駅近が必須
医療・買い物・交通がワンストップ
理由②:医療・介護・商業とセット
下層階:クリニックモール、ドラッグストア
上層階:シニア分譲マンション、サ高住
「ワンストップ高齢者タウン」が作れる
理由③:商売として採算が合う
百貨店より「高齢者+医療+ドラッグストア」の方が儲かる
地方の消費低迷でも、高齢者需要は安定
理由④:相続税・資産承継との相性
地方の大型不動産を現金化→子世代は分散投資
相続税申告シーズン(3月15日)前に売却決断が多い
駅前×高齢者需要×医療介護のセット = 儲かる。
百貨店業界全体の動き
高島屋だけじゃない。
百貨店業界全体で、地方店閉鎖が進んでる。
🏬 百貨店業界全体の動き
| 三越伊勢丹 | 地方県庁所在地の店舗閉鎖 駅前一等地の再開発(商業+オフィス+住宅ミックス) |
| 大丸松坂屋 | 地方店閉鎖、都心店舗に集中 |
| そごう・西武 | 地方店閉鎖、跡地再開発 |
| 高島屋 | 地方・郊外店整理、首都圏+都心一等地に集中 |
全社、同じ動き。
地主側の事情:相続税・建替え問題
で、ここが面白い。
百貨店閉店 = 百貨店の問題、だけじゃない。
⚠️ 地主側の事情
地主の悩み①:老朽化した建物の建替え費用
築40〜50年の百貨店ビル
建替えに数十億円〜数百億円
地主の資金力では無理
地主の悩み②:相続税の負担
駅前一等地の評価額が高い
相続税が数億円〜数十億円
現金化しないと払えない
地主の選択肢
①老朽ビル解体
②土地一体でデベロッパーに売却 or 自社でシニアマンション開発
③資産の組み替え・相続対策
百貨店ビルの大家さんは、相続税・建替え費用とずっと戦ってた。
岐阜高島屋の場合
岐阜高島屋の場合、どうなるのか?
🏢 岐阜高島屋ビルの今後
| 土地・建物所有者 | 地元不動産会社 |
| 高島屋の立場 | テナント撤退済み |
| 現状 | 具体計画はこれから 周辺にマンション+商業の複合開発が進んでいる |
| 可能性 | 老朽ビル解体→デベロッパー売却 or 自社で再開発 シニアマンション転換の可能性もあり |
岐阜高島屋ビルは、地主側が今後の方針を決める。
相続税申告シーズンとの関連
これ、タイミングも重要。
📅 相続税申告シーズン
相続税申告締切
毎年3月15日
相続発生から10ヶ月以内
土地売却のタイミング
年末〜年始に売却決断が多い
相続税の納税資金を確保するため
申告期限前に現金化
百貨店閉店との連動
地主の相続発生→土地売却決断→百貨店に退去要請
「百貨店の都合」だけじゃなく「地主の相続」も絡む
百貨店閉店のニュース、実は地主の相続税対策と連動してるケースもある。
まとめ
📋 この記事のポイント
| 自社所有型の選択肢 | 土地売却→数十〜数百億円、デベロッパーと再開発 |
| シニアマンション転換 | 駅前×高齢者需要×医療介護のセットで採算が合う |
| 百貨店業界全体 | 三越伊勢丹、大丸松坂屋、そごう・西武も地方店閉鎖 |
| 地主の事情 | 老朽化建替え費用+相続税負担、土地売却で資産組み替え |
| 相続税との連動 | 3月15日申告締切前に売却決断、地主の相続税対策と連動 |
| 岐阜高島屋の今後 | 地主が方針決定、シニアマンション転換の可能性あり |
百貨店跡地、シニアマンションになる理由。
駅前×高齢者需要×医療介護のセットで、百貨店より儲かる。
地主側は、老朽化建替え費用+相続税負担で、土地売却を決断。
相続税申告シーズン(3月15日締切)前に売却が多い。
百貨店閉店 = 百貨店の問題、だけじゃない。
地主の相続・建替え問題でもある。
本日も最後まで読んでくれてありがとうございます!
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※宅建合格者・行政書士学習中の内容をまとめたものです。間違いがあればご指摘ください。


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