タダで貸してくれていた部屋が消えた日|街角で読む使用貸借のリアル

商店街を歩いていると、古い建物の2階に洗濯物が干してあるのを見かけることがある。

1階は店舗、2階は住居。 よく見ると、店主の親族が住んでいるらしい。

「家賃?そんなもん取ってないよ。昔からの付き合いだし」

こういう関係、街の中にめちゃくちゃ多い。

2024年に宅建合格して、今は行政書士の勉強してるんですけど、 こういう「タダで貸してる」関係が、法律的には「使用貸借」って呼ばれてる。

で、この使用貸借、意外とトラブルになる。

ある日突然、「建物が老朽化したから建て替えたい。出ていってください」って言われる。

住んでる側は「え、急に言われても…」ってなる。

でも、法律的には「タダで貸してただけ」だから、 賃貸アパートみたいに保護されない。

これ、知らないとマジでヤバい。

使用貸借とは何か?街の例で見てみる

使用貸借っていうのは、簡単に言うと、 「無償で物を使わせる契約」のこと。

民法593条に書いてある。

難しい言葉で書いてあるけど、要は、 「タダで貸してる」ってだけ。

街を歩いてると、こういう使用貸借の例、めっちゃ見かける。

街でよく見る使用貸借の例

実家の空き家を子どもに貸す

親が「空いてるから住んでいいよ」って言って、 子どもが家賃なしで住んでる。

光熱費と固定資産税は親が払ってる。 契約書なんてない。

これ、典型的な使用貸借。

店舗2階の部屋を従業員に貸す

飲食店の2階が空いてて、 「うちで働いてくれるなら、タダで住んでいいよ」みたいなパターン。

家賃は取らないけど、退職したら出ていってもらう前提。

これも使用貸借。

月極駐車場の一角を近所の人に貸す

「うちの駐車場、空いてるから使っていいよ」って言って、 近所の人が車を停めてる。

お金は取ってない。

これも使用貸借。

家賃をもらい始めたら?

ここで重要なのが、 「家賃や使用料をもらい始めた瞬間、それは賃貸借に近づいていく」 ってこと。

最初はタダで貸してたけど、 「じゃあ月1万円だけでも…」ってなったら、 それは使用貸借じゃなくて賃貸借になる可能性がある。

金額の多い少ないじゃなくて、 「対価をもらってるかどうか」が境界線。

街を見るときに、 「この建物、タダで貸してるのか、家賃取ってるのか」 って意識すると、面白い。

使用貸借と賃貸借の違い、街の風景で対比する

同じ「住んでる」「使ってる」でも、 法律上の扱いが全然違う。

賃貸借の典型例

不動産サイトに載ってる賃貸アパート。

家賃7万円、敷金1ヶ月、礼金1ヶ月。 契約書があって、2年ごとに更新料1ヶ月。

これが賃貸借。

借主は借地借家法で保護されてて、 家主が「出ていってください」って言っても、 正当事由がないと追い出せない。

契約更新も、基本的には借主有利。

家主側が「もう貸したくない」って思っても、 簡単には終了できない。

使用貸借の典型例

看板も募集もない、身内・知り合いだけで完結している「タダ部屋」。

契約書なし、家賃なし、更新料なし。

口約束だけで、「住んでいいよ」「使っていいよ」って言われてる。

これが使用貸借。

保護の差がエグい

賃貸借は、借主が超保護されてる。

家主が「出ていってください」って言っても、 正当事由がないとダメ。

更新拒絶も、立退料が必要になることが多い。

でも、使用貸借は違う。

「好意でタダで貸している」っていう扱いだから、 貸主側に有利な終了ルールが多い。

期間の定めがない使用貸借だと、 「もう貸せないから返してください」って言われたら、 基本的には返さないといけない。

賃貸借みたいに、 「正当事由が…」「立退料が…」みたいな話にはならない。

街読みの視点で言うと、 同じ『住んでいる』『使っている』でも、 法律上の扱いが全然違う。

見た目は同じなのに、中身が全然違う。

典型トラブル事例を街読み目線で見てみる

使用貸借、街の中でよくトラブルになる。

具体的な事例を3つ紹介する。

事例1:親族がタダで住んでいた実家の2階

父親が亡くなって、実家を相続した長男。

実家の2階には、弟が住んでる。

弟は学生時代から、ずっと実家の2階に住んでた。 家賃は払ってない。

父親が「お前は2階に住んでいいよ」って言ってくれてた。

でも、長男は実家を売りたい。

「弟には悪いけど、出ていってもらわないと…」

弟は「ずっと住んでいたのに…」ってショック。

法律的にはどうなる?

この場合、父親と弟の関係は「使用貸借」と整理されやすい。

家賃を払ってないから。

父親が亡くなった時点で、使用貸借は終了する可能性が高い。

民法599条で、 「貸主が死亡したときは、使用貸借は終了する」 って規定されてる。

弟は「ずっと住んでた」って主張しても、 賃貸借ほどの保護はない。

長男が「出ていってください」って言ったら、 基本的には出ていかないといけない。

ここが、賃貸借との大きな違い。

賃貸借だったら、相続人が引き継ぐけど、 使用貸借だと、貸主の死亡で終了することが多い。

事例2:従業員に無償提供していた社宅

飲食店で働いてた従業員が、 店舗の2階にタダで住んでた。

「うちで働いてくれるなら、家賃なしで住んでいいよ」 って言われてた。

でも、その従業員が退職した。

退職後もズルズル住み続ける。

会社側は「そろそろ出てほしい」って思ってる。

でも、本人は「急に言われても困る」って揉める。

法律的にはどうなる?

これ、使用貸借か賃貸借かの線引きが問題になる。

「従業員として働く」っていう前提で貸してたなら、 使用貸借と整理されやすい。

退職した時点で、「目的が達成された」って扱いになる。

民法597条3項で、 「使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は、直ちに返還を請求することができる」 って規定されてる。

「従業員として働く期間」が終わったら、 返還請求できる。

ただし、「家賃代わりに働いてもらってた」みたいな関係だと、 賃貸借と評価される可能性もある。

この辺の線引き、めちゃくちゃ微妙。

実務的には、契約書がないから揉める。

事例3:空き地を無料で貸していた駐車スペース

近所の人に、 「うちの空き地、使っていいよ」って言って、 ずっと車を停めさせてた。

10年くらい、ずっと使わせてた。

でも、その空き地を売却することになった。

「そろそろ出ていってほしい」って言ったら、 相手は「え、急に言われても…」ってなる。

法律的にはどうなる?

これも使用貸借と整理されやすい。

お金をもらってないから。

期間の定めがない使用貸借だから、 「目的が達成されたとき」か「貸主が返還を求めたとき」に終了する。

10年使ってたからって、 借主側に権利が発生するわけじゃない。

賃貸借だったら、 「長年使ってたから、立退料が…」みたいな話になるけど、 使用貸借だと、そういう保護はない。

ただし、「長年使ってた」っていう事実があると、 「ある程度の猶予期間は必要」って判断されることもある。

「今日出ていってください」は無理でも、 「3ヶ月後に出ていってください」なら認められる、みたいな。

この辺は、個別の事情によって変わる。

「いつまで使えるのか?」使用貸借の終わり方

使用貸借、いつまで使えるのか?

これ、めっちゃ重要。

賃貸借だと、契約期間が終わっても自動更新される。

でも、使用貸借は違う。

期間の定めがない使用貸借の終了タイミング

民法597条で、終了タイミングが3つある。

1. 目的が達成されたとき

例: 「子が就職するまで」って言われて住んでた場合、 就職したら終わり。

「工事が終わるまで」って言われて駐車場を貸してた場合、 工事が終わったら終わり。

2. 使用収益に足りる期間が経過したとき

期間の定めがなくても、 「常識的に考えて、もう十分使ったよね」って時期が来たら、 貸主は返還を請求できる。

3. 貸主が死亡したとき

民法599条で、 貸主が死亡したときは、使用貸借は終了する。

相続人が引き継ぐわけじゃない。

これ、めっちゃ重要。

賃貸借だと、相続人が賃貸人の地位を引き継ぐけど、 使用貸借だと、そもそも終了しちゃう。

街でよくある「きっかけ」

再開発、建替え、相続。

この3つが、使用貸借の終了のきっかけになりやすい。

「この辺、再開発するから、タダで貸してた土地を返してほしい」

「建物が老朽化したから建て替えたい、出ていってほしい」

「親が亡くなって相続した、出ていってほしい」

こういう話、街の中でめちゃくちゃある。

賃貸借なら、 「正当事由が…」「立退料が…」みたいな話になるけど、 使用貸借だと、そこまでの保護はない。

「ある日突然、終わりがくる」こともある。

使用貸借を「悲劇」にしないためのポイント

使用貸借、トラブルになりやすい。

でも、最低限のことを決めておけば、悲劇は防げる。

書面にしておくといい最低限の内容

1. 使わせる目的

「居住」「保管」「一時利用」とか、 何のために使わせるのか、ハッキリさせる。

「長男が就職するまで」とか、 「店で働いている期間」とか、 目的を明確にする。

2. ざっくりした期限

「2年間」とか「5年間」とか、 期間を決めておく。

期間を決めておけば、 「いつまで使えるのか」で揉めにくい。

3. 固定資産税や光熱費、修繕負担の取り決め

タダで貸してても、 固定資産税は誰が払うのか、 光熱費は誰が払うのか、 修繕費は誰が負担するのか、 決めておく。

「タダで貸してるんだから、全部貸主負担」って思ってると、 後でトラブルになる。

「タダで貸す=何も決めない」ではない

宅建士とか不動産実務やってると、 「タダで貸してるから、何も決めなくていい」って思ってる人、めちゃくちゃ多い。

でも、それは逆。

タダで貸してるからこそ、最低限だけ決めておく。

家賃が動かないぶん、 「いつまで使えるのか」「誰が費用を負担するのか」で揉める。

街を歩いてると、 「この家、親族がタダで住んでそうだな」って風景、よく見かける。

2階に洗濯物が干してあって、 1階は店舗で、たぶん親族が住んでる。

そういう風景の裏には、 人間関係とリスクが隠れてる。

「いつか出ていってもらう日が来るかもしれない」 「相続が発生したら、どうなるか分からない」

そういうリスクを、貸す側も借りる側も理解してるかどうか。

理解してないと、ある日突然、悲劇になる。

まとめ:街の「タダで貸してる」風景が法律の勉強になる

使用貸借って、教科書だと地味。

賃貸借のほうが試験に出るし、判例も多い。

でも、街の中では、使用貸借の方が圧倒的に多い。

親族に貸してる、知り合いに貸してる、従業員に貸してる。

お金が動かないぶん、契約書も作らない。

だから、トラブルになったときに、 感情の衝突が大きくなりやすい。

「タダで貸してやってたのに…」 「ずっと住んでたのに…」

こういう感情が、法律の世界では、 「使用貸借だから保護されない」って扱いになる。

街を見るときに、 「どこが賃貸借で、どこが使用貸借っぽいか」 って意識すると、宅建の条文や判例が立体的に見えてくる。

2階に洗濯物が干してある古い建物を見たら、 「あ、これ使用貸借かも」って思う。。


※この記事は宅建合格者が、民法の知識と街の観察を基にまとめたものです。個別の法律相談は専門家にご相談ください。

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