賃貸ビルのテナントがコロコロ変わる理由、建物賃貸借と借地権の違い

賃貸借と借地権の違いについて解説したアイキャッチ画像

マンションの1階とか、 テナントがコロコロ変わること、ないですか?

「ラーメン屋」→「美容院」→「居酒屋」→「カフェ」

みたいな。

2〜3年ごとに変わってる。

「なんでこんなに入れ替わるの?」

って思ってたんですよ。

宅建勉強してたおかげで、理由が分かった。

これ、建物賃貸借(借家権)の話で、 借地権とは全く別物だった。

テナントの入れ替わりが早い

マンションやビルの1階、 テナントの入れ替わりが超早い。

長くて5年、短いと1年で変わる。

コンビニとかスーパーだと、 10年〜20年営業してるのに。

テナントは、なんでこんなに短いの?

借地権と借家権の違い

まず、前提として。

借地権借家権は別物。

借地権

  • 土地を借りる
  • 契約期間:最低10年(事業用定期借地権)〜
  • 自分で建物を建てる
  • 長期契約が基本

例: コンビニが土地を借りて、自分で店舗を建てる

借家権(建物賃貸借)

  • 建物を借りる
  • 契約期間:2年〜5年が多い
  • 建物はオーナーのもの
  • 短期契約

例: マンション1階のテナントスペースを借りる

テナントは「建物を借りてる」

マンション1階のテナント、 土地を借りてるわけじゃない。

建物(テナントスペース)を借りてる。

だから、契約期間が短い。

2年契約とか、3年契約が多い。

で、契約満了したら:

  • 更新する
  • 退去する

選べる。

だから、入れ替わりが早い。

なんで短期契約なの?

テナント側の理由

リスクを抑えたい

飲食店とか美容院って、 成功するか分からない。

「10年契約」とか無理。

2〜3年やってみて、 売上が良ければ更新。 売上が悪ければ退去。

柔軟に判断したい。

オーナー側の理由

家賃を見直したい

テナント入れたとき、 家賃月20万円で契約した。

3年後、周辺の相場が上がってたら、 家賃を値上げしたい。

短期契約なら、 更新時に家賃交渉できる。

長期契約だと、値上げしにくい。

借地権だとこうはいかない

借地権(土地を借りる)だと、 話が全然違う。

契約期間が長い

普通借地権:最低30年 定期借地権:10年〜50年

短くても10年。

2〜3年で出たり入ったり、できない。

建物を建てるから投資が大きい

借地権だと、自分で建物を建てる。

建設費:数千万円〜億単位

2〜3年で撤退なんて無理。

最低でも10年〜20年は営業する前提。

地主との関係が深い

借地権は、地主との長期的な関係。

簡単に「やっぱやめます」とか言えない。

街で観察してみる

マンションの1階、 テナントの入れ替わりを観察してみると面白い。

パターン1:2年で退去

「ラーメン屋」→ 2年で閉店

理由:売上が悪かった 契約満了で退去

パターン2:5年以上継続

「美容院」→ 5年以上営業中

理由:売上が好調 契約を何度も更新してる

パターン3:看板はそのまま、中身が変わる

「居酒屋A」→「居酒屋B」

同じ居酒屋だけど、経営者が変わった。

前のテナントが退去して、 次のテナントが同じ業種で入った。

内装そのまま使えるから、初期投資を抑えられる。

「建物賃貸借」の階層構造

ちょっと複雑なんですけど、 建物賃貸借の構造、こうなってる。

階層1:土地の所有者(地主)

土地を持ってる人。

階層2:建物の所有者(ビルオーナー)

マンションやビルを建てた人。

土地は自分のものか、 借地権で借りてるか、どっちか。

階層3:テナント(入居者)

1階のスペースを借りてる人。

建物賃貸借契約を結んでる。


例:

地主(土地所有) ↓ 借地権(50年) ビルオーナー(建物所有) ↓ 建物賃貸借(3年) テナント(ラーメン屋)

ラーメン屋は、3年契約。

でも、ビルオーナーは、 50年の借地権で土地を借りてる。

だから、ビルオーナーは長期的に経営してる。

でも、テナントはコロコロ変わる。

この階層構造、理解すると面白い。

借地権の契約期間は長い、建物賃貸借は短い

まとめると:

借地権(土地を借りる)

  • 契約期間:10年〜50年
  • 自分で建物を建てる
  • 長期的な投資
  • コンビニ、スーパー、病院など

建物賃貸借(建物を借りる)

  • 契約期間:2年〜5年
  • 建物はオーナーのもの
  • 短期的な投資
  • テナント(飲食店、美容院など)

この違い、超重要。

テナントがコロコロ変わるのは自然

マンション1階のテナント、 コロコロ変わるのは普通。

むしろ、それが建物賃貸借の特徴。

短期契約で、柔軟に判断する。

売上が悪ければ退去。 売上が良ければ更新。

この仕組みがあるから、 新しいお店がどんどん出てくる。

まとめ

賃貸ビルのテナントがコロコロ変わる理由、

  • 建物賃貸借(借家権)の契約だから
  • 契約期間が2〜5年と短い
  • 借地権(土地を借りる)とは別物
  • 短期契約で柔軟に判断できる

借地権と借家権の違い、 理解すると街の見方が変わる。

マンション1階のテナント、 観察してみてください。

何年で変わるか、チェックすると面白いですよ。


※宅建2024年試験合格者・行政書士学習中の内容をまとめたものです。

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